健康・福祉の情報発信「いきいき倶楽部」


1)口内炎とは

口内炎とは、口の中の粘膜に起こる炎症のことです。
口内炎にはいろいろな種類がありますが、一般的なものはアフタ性口内炎です。

アフタ性口内炎は、表面が白っぽく、くぼみがあって、周囲が赤い円形(または楕円形)の潰瘍です。
痛みを伴うことが多く、一度に1個~数個できることもあります。
口内炎は頬の内側、唇の内側、歯ぐき、舌などどの部分にもでき、赤ちゃんからお年寄りまで幅広く発症します。痛みを伴うために飲食や会話などの日常生活に不快を感じることが多く、できた場所によっては、会話などで口を動かす度に痛みを感じて出血することもあります。

                   


2)口内炎の原因

口内炎の主な原因には、次のようなものがあります。

  ・口の中を傷つけた     ・胃腸障害      ・健康不良
  ・口の中の不衛生      ・ストレス      ・アレルギー

飲食中に誤って頬の内側を噛んでしまったり、歯みがき時のブラッシングや硬いものを食べた時に傷をつけ、その傷が悪化してそのまま口内炎になってしまうことがあります。
また、熱いものを口に入れて火傷をしたり、噛み合わせや入れ歯が悪く、口の中の粘膜を傷つけることもあります。

口は内臓の入り口であり、消化器の一部でもあります。
胃腸の粘膜が荒れていると、口の中の粘膜にも影響が出るといわれています。
仕事や病気などで疲労がたまって体力が低下したり、不規則な生活や栄養バランスが悪い食事が続くと口内炎ができやすくなります。
また、ストレスを感じる生活は、口内炎を誘発するといわれています。

唾液の分泌が少なかったり、歯みがきやうがいが長時間できずに口の中が不潔な状態になってしまうと菌が繁殖しやすくなり、口内炎ができやすくなると共に症状を長引かせてしまいます。
特定の食べ物や歯みがきの成分によってアレルギーが起きて口内炎になる場合や、病気の治療の副作用で口内炎ができることもあります。
タバコを大量に吸う人は、ニコチンが原因になることもあります。

口内炎の原因は見た目では判断できないことがあるので、長期間続いたり繰り返しできる場合は、受診した方がよいでしょう。
                   


3)口内炎を起こす病気

口の中の状態に関係なく、身体の病気が原因で口内炎が起きる場合があります。
ベーチェット病 ベーチェット病とは、アフタ性口内炎、外陰部の潰瘍、眼症状、皮膚症状を主症状とする全身性の炎症性疾患です。
日本の特定疾患に指定されており、はっきりとした原因はわかっていません。
20代~30代に発症しやすく、また、女性より男性の方が、症状が重症になりやすいといわれています。
ベーチェット病による口内炎はアフタ性口内炎で、口腔内アフタ性潰瘍ともよばれています。
ベーチェット病の口内炎は、ベーチェット病の初めての症状として出てくることが多いといわれています。
口内炎自体は、発症して10日ほどで治りますが、再発を繰り返すことが特徴といえます。
手足口病 手足口病はウィルスによる病気で、1~5歳に多く発症し、大人でも発症することがあります。
発熱と口の中全体に多数の口内炎ができると共に、水疱瘡のような発疹が手のひらや足の裏、ひざ、お尻などに現れます(発熱がない場合もあります)。
手や足にできる発疹は痛みが出ることはほとんどありませんが、口内炎は痛みが出るといわれています。
ヘルパンギーナ ヘルパンギーナはウィルスによる病気で、1~5歳に多く発症します。
突然の高熱と共に、喉に小さい口内炎が多数できます。
口内炎は左右対称に出てきたり、左右のどちらか片方だけに出てくることもあります。
口内炎は治るまでに1週間から10日ほどかかりますが、高熱などの症状は4~5日ほどで落ち着きます。
ガンや糖尿病など ガンやエイズ、糖尿病などは、自己免疫力が低下することによって、雑菌がたくさんいる口腔内が炎症しやすくなり、口内炎になりやすいといわれています。
ガンの一種である白血病では、初期症状で口内炎ができることがあります。

その他にも、尿毒症や潰瘍性大腸炎、クローン病など、さまざまな疾患が原因で口内炎は起こります。


4)口内炎の治療

一般的なアフタ口内炎は通常1~2週間ほどで治りますが、長引く場合は病院に行って 診察を受けましょう。
口内炎には特に決まった診療科はないので、歯科・口腔外科・耳鼻咽喉科・内科など幅広い診療科で治療を受けることができます。胃腸の調子が思わしくないなら内科、口の中に損傷があるなら口腔外科というように使い分けるのも一つのポイントです。
すべての病院が対応しているわけではないので、受診する前に口内炎の診察・治療を行っているか確認した方がよいでしょう。

口内炎の薬は、ドラッグストアなどでも多数販売されています。
内服薬は、肌荒れやにきびにも効果のあるビタミン剤で、予防に効果的です。
塗り薬には液体と軟膏があり、患部に直接塗ることで外部との接触がなくなり、痛みも軽減されます。
貼り薬も患部に直接貼り、痛みの軽減と共に含まれる薬剤で治療をします。
また、殺菌作用のあるうがい薬も効果的といわれています。
病院でもステロイド剤や抗菌剤の軟膏や痛み止め等の内服薬、うがい薬などを処方してもらえます。

薬を使う場合は、寝る前や食事・歯磨きの後に使用すると、薬が患部に長時間とどまり、効果的です。
口内炎の治療で一番大切なのは、口の中を清潔に保つことです。
口の中には数百種類の雑菌が存在し、口腔内を不潔にしていると菌が増殖し、口内炎が長引いたり、悪化する可能性があります。
歯磨きをきちんと行い、殺菌作用のあるうがい薬でうがいをするなどして、口の中を清潔にしましょう。

                  


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