1)骨粗しょう症
とは 

   骨密度が減少し、徐々に骨がもろくなり骨折しやすくなる病気です。
   骨粗しょう症には、2つのタイプがあります。

   第1のタイプは、原発性(一次性)骨粗しょう症です。
   特に原因となる病気がなく、骨の形成や吸収にかかわる機能の異常によって
   起こります。

   原発性骨粗しょう症はさらに、
       (1)閉経後骨粗しょう症
       (2)老人性骨粗しょう症
       (3)特発性骨粗しょう症 という3つの病型に分けられます。
   高齢の女性にみられる骨粗しょう症には、閉経後骨粗しょう症と老人性骨粗
   しょう症の2つの要素が混在しています。

   第2のタイプは、続発性(二次性)骨粗しょう症です。
    これは、原因となる別の病気があるために起こるものです。

                  


 2)原発性骨粗しょう症 
  
   閉経後骨粗しょう症
     閉経後骨粗しょう症(I型骨粗しょう症)は、主要な女性ホルモンであるエス
     トロゲンの欠乏
が原因で起こります。
     エストロゲンは女性の体内で、骨へのカルシウムの取りこみを調節する働
     き
をしています。

     閉経後骨粗しょう症は、普通51〜75歳の閉経後の女性に発症しますが、
     この年齢より早く、あるいは遅く発症する人もいます。

      女性では閉経までの間は骨密度の低下が徐々に進みますが、閉経後は
     急速に減少
します。
     しかし、閉経後のすべての女性が発症するわけではありません。



   老人性骨粗しょう症
     老人性骨粗しょう症は、加齢に伴うカルシウムやビタミンDの欠乏骨吸
     収と骨形成のバランスが崩れる
ことによって起こるとみられています。
     通常は70歳以上の人に発症し、女性の方が男性の2倍多くなっています。



   特発性骨粗しょう症     
     特発性とは原因不明という意味であり、特発性骨粗しょう症は、まれなタイ
     プといえます。
     小児期や青年期に発症し、体内のホルモンやビタミンの量は正常で明らか
     な原因がないにもかかわらず、骨が弱くなります。



女性の骨粗しょう症の危険因子

 ・家族に骨粗しょう症の人がいる
 ・座りがちな生活
 ・食事中のカルシウム不足
 ・細身の体形
 ・早期の閉経
 ・喫煙
 ・アルコールの過剰摂取
 ・一部の薬の使用
 (コルチコステロイド薬、過量の甲状腺ホルモン等)



 3)骨粗しょう症の症状
 

   骨密度の低下は、非常にゆっくりと進みます
   このため骨粗しょう症の初期には症状がなく、病気が進んでも自覚症状が
   まったく現れないこともあります。

   骨密度が少なくなって骨の変形や骨折が起こると突然の強い痛み、または
   徐々に起こるうずくような骨の痛み、体の変形
などが現れます。

   腕や脚などの長骨では、骨の中央部よりもむしろ骨端(骨の付け根)部分が
   骨折
します。 
   脊柱(椎骨)では、背中の中程から腰にかけて骨折が起こりやすくなります。
   特に脊椎は、骨粗しょう症による骨折を起こしやすい部位です。




 4)予防 
 
   骨粗しょう症では一般に、治療よりも予防が有効です。
   骨粗しょう症を予防するには、適量のカルシウムやビタミンDを摂取したり、
   
体重の負荷がかかるような運動を行ったり、一部の人では薬を服用するなど
   の方法で、骨密度の維持や増加を図ります。

   特に骨密度が最大となる30歳ごろより前に行うと効果的ですが、それ以降で
   も効果は期待できます。

     
   また1日あたりカルシウム約1500ミリグラムと、ビタミンD400800単位の
   摂取が勧められます。

   ビタミンDが強化された牛乳を約240ミリリットルのコップで2杯飲み、バランス
   の良い食事をとり、ビタミンDのサプリメントを服用するなどを心がけましょう。

   骨に体重の負荷を与える運動(ウォーキング、階段を上るなど)は、骨密度を
   増加させ
ます。
   逆に、水泳などの骨に負荷を与えない運動では、骨密度は増加しません。

   エストロゲン補充療法は、女性が骨密度を維持するのに役立ちます。
   この治療は閉経後46年以内に始めると最も効果がありますが、それ以降
   に始めても骨密度減少の進行を遅らせることができ、骨折するリスクは低く
   なります。

   閉経後、エストロゲン補充療法を実施するかどうかの判断は複雑です。
   それはこの治療には副作用やリスクを伴い、子宮癌になるリスクが高くなっ
   たり、乳癌になるリスクもわずかに高くなったりするためです。

   エストロゲンとともにプロゲステロンを服用すると、子宮癌になるリスクは減り
   ますが、乳癌になるリスクは変わりません。


                  



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