健康・福祉の情報発信「いきいき倶楽部」


1)はじめに

汗は皮膚の中にある汗腺で作られ、導管を通って皮膚表面に出てきます。
汗は身体を涼しい状態に保つのに役立っており、暑い時ほどかきやすくなります。
他に、神経が高ぶっていたりストレスにさらされている時、運動した時にも汗が出やすくなります。

汗の主成分は水ですが、塩分(ほとんどは塩化ナトリウム)その他の化学物質も含まれています。
汗を大量にかいた時は、失われた水分と塩分を補給しなくてはなりません。

                   

2)あせも(汗疹)

あせもは、汗が閉じ込められたことが原因で起こる、かゆみを伴った皮膚の発疹です。
あせもは、汗を皮膚の表面まで運ぶ狭い導管が詰まったために起こります。
導管が詰まってたまった汗は炎症を引き起こし、皮膚は刺激を受けてチクチクとかゆくなって、非常に小さい水疱ができます。

また、皮膚が広範囲に赤くなるという形で現れることもあります。
あせもは高温多湿の気候でできやすく、皮膚と皮膚が接触する部分、腿の内側や腋の下などに多く見られます。
症状は皮膚を涼しく乾いた状態に保つことで抑えられるので、ボディパウダーや制汗剤も役に立ちます。

汗を増やす状態を避けるべきなので、エアコンで調節できる環境が理想です。
塗り薬として発疹にステロイドのクリームやローションを使いますが、薬を塗るよりも皮膚を涼しく乾いた状態に保つ方が効果があります。

                

3)多汗症

多汗症の人は多量の汗をかき、一部は常に汗をかいている状態にあります。
皮膚全体に見られることもありますが、大抵は手のひら、足の裏、腋の下、性器周辺といった限られた部分に多汗の症状が見られます。

特定の原因は見つからないのが普通ですが、甲状腺機能亢進症、低血糖、まれに褐色細胞腫などの病気が原因になっていることもあります。
汗をコントロールしている神経システムに異常がある場合、脊髄に外傷や病気がある場合も多汗症が起こります。

多汗症の人の多くは自分の症状について不安を持っており、この不安が症状を悪化させている場合もあります。
慢性的に多量の汗をかいて皮膚が湿った状態にあると、その部分が白くなってシワが寄り、ひび割れたり、赤くなって炎症を起こすこともあります。
皮膚に存在する細菌や酵母が汗を分解し、多汗のある部分が嫌な臭いを発する臭汗症(しゅうかんしょう)と呼ばれる状態になることもあります。

多汗症は、市販の制汗剤の使用である程度は抑えることができます。
しかし、手のひらや足の裏、脇の下、性器周辺の多汗には、もっと効果の高い治療が必要となります。

薬としては、塩化アルミニウム溶液、メセナミン溶液などの塗り薬、フェノキシベンザミンなどの経口薬があり、ボツリヌス毒素を多汗の部分に注射することで汗の量が減ることもあります。
他に汗腺そのものに対する手術や、不安から生じる汗についてはカウンセリングや抗不安薬を使用する場合もあります。

汗からくるにおいが問題である場合、1日に2回、石鹸と水で多汗のある部分を洗うことで、においの元である細菌や酵母を取り除くことができます。
殺菌効果のある石鹸を使用し、抗菌クリームを塗ると、より高い効果が期待できます。

                


ページの最初へ戻る




Nanoテックス 🏠  >  「いきいき倶楽部」  >  健康情報コーナー  >  汗の異常や病気