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 平成21年度 福祉サービス分野 正解と解説


問題 正解 4・5
×1 コミュニケーションの技術には、面接場面の構造的な配置にかかわる技術も含まれます。
×2 先入観は、専門職の倫理としての押し付けや思い込みの排除で防ぐことが可能であり、予測は、その領域を探る質問を行うことで修正していくことができます。
自分とはまったく異なる人生を歩んできた人の問題を捉えていくためには、
予備的共感は有効といえます。
×3 選ばれたクローズドクエスチョンは、面接の焦点を定めていくとき、面接の目標が曖昧になってしまったとき、クライエント本人が混乱してしまっているときなどに有効な方法であるといえます。
4 クライエントと相談援助者が共にクライエントの抱える問題を明確にしていく技術として、「励まし、明確化、要約」「情緒の意味を考察し、それを相手に返す」という技術が必要です。
5 うなずいたり、先を促したり、関心や共感を示したりしてクライエントを肯定的に捉え、それを表明することによって、クライエントも問題認識と解決への意欲を高めていくことができます。




問題2 正解 2・5
×1 近年、自治体などの広報活動で利用の手引きや紹介なども普及してきてはいますが、ひとつひとつのサービスがどのくらい実用性があるかがはっきりしないなどの課題はあり、広くわかりやすい広報活動は今後も重要であるといえます。
2 ニーズがあるにもかかわらず、心理的規制・社会的規制によってサービスを利用しようとしない場合は、専門家としての立場を積極的に生かして、サービスの必要性、利用の意義を伝えることが求められます。
×3 家族からの連絡のみで結論を出すのではなく、本人に直接意向を確認し、必要に応じて本人と家族を交えた話し合いの場を設けるなどして調整を続ける必要があります。
×4 夫婦や親子などの家族間でも、秘密は守られなければなりません。
家族に情報を伝える際には、本人の同意を得なければなりません。
5 家族がニーズを自覚していなかったり、自覚していても何らかの理由で拒否しているなど様々なケースが考えられますが、あきらめずに援助の必要性を伝え、家族関係を調整していくことが求められます。




問題3 正解 1・2・3
1 集団援助技術とは、集団過程(グループプロセス)を活用して、ワーカーが意図的に介入して集団や個人を援助していく技術です。
2 他のメンバーの行動を観察することで、自分の問題を改めて確認したり、新しい見方を獲得したりする機会となります。
3 ワーカーは集団全体に介入するだけでなく、個別のメンバーにも意図的に働きかけます。
×4 ワーカーはグループの活動の展開に意図的に介入します
グループ内の対立についても、
見守ることが有効な場合と介入が有効な場合があります
×5 集団援助技術におけるワーカーの役割は、グループを側面的に援助することです。
リーダー的役割を担うこともありますが、常にそうあるべきではありません。




問題4 正解 3・5
×1 援助が必要であると考えられるのであれば、根気よく訪問して信頼関係を築き、受け入れてもらう努力をする必要があります。
×2 「なぜ拒むのか」を知ることによって、解決の方向性も見えてきます。
たずね方は気をつけなくてはなりませんが、
拒否の理由も含めてクライエントの思いを聞き出していく必要があります。
3 介護の問題から家族関係の崩壊を招く例もあるので、家族関係の調整的援助は重要です。
×4 クライエントに受容的に接することは重要ですが、誤った情報や知識や偏見は正し、不足しているものは補っていくような援助が必要です。
5 情報は、誰にでも理解できるようわかりやすく伝えることを心がけます。




問題5 正解 1・3
1 段差解消のためのもので取り付けに際し工事を伴わないものについては、福祉用具貸与の対象となっています。
×2 取付工事を伴わない手すりは、福祉用具貸与の対象となっています。
工事を伴う手すりは、住宅改修費の対象です。
3 貸与になじまない用具は、特定福祉用具として購入の対象となっています。
入浴用いす、浴槽用手すり、浴槽内いす、入浴台、浴室内すのこ、浴槽内すのこ、入浴用介助ベルトが入浴補助用具として購入種目に指定されています。
×4 車いす付属品は、福祉用具貸与の対象です。
×5 床ずれ防止用具は、福祉用具貸与の対象です。




問題6 正解 2・3・5
×1 訪問介護事業所のサービス提供責任者が、訪問介護計画を作成することとされています。
居宅サービス計画が作成されている場合は、
その内容に沿って作成されなければなりません。
2 通常のサービス実施地域等を勘案してサービス提供が困難であると認めた場合は、適当な他の指定訪問介護事業者等の紹介、居宅介護支援事業者への連絡などを速やかに行わなければなりません。
3 事故発生時には、速やかに市町村、利用者の家族、担当の居宅介護支援事業者に連絡するとともに、必要な措置を講じなければなりません。
×4 訪問介護員に研修、技術指導等を実施することは、サービス提供責任者の責務です。
5 利用者本人の個人情報を用いる場合は利用者本人の同意を、家族の個人情報を用いる場合は家族の同意を、あらかじめ文書で得ておかなければなりません。




問題7 正解 1・4・5
1 利用者の身体の状況等が入浴に支障を生じるおそれがないと認められる場合に、主治医の意見を確認した上で、介護職員3人で実施することができます。
×2 訪問入浴介護は、生活基盤のひとつである入浴をすべての人に保障するための方法であり、終末期であるから利用できないというものではありません。
終末期医療を提供していくにあたっては、
提供体制を整えることが必要です。
×3 利用者の病態が安定していれば、医療処置、医療器具を利用している場合もほとんどが入浴可能で、訪問入浴介護を利用することができます。
4 利用者の病状が急変した場合は、速やかに主治医やあらかじめ定められている協力医療機関への連絡を行うなどの措置を講じなければなりません。
5 小規模多機能型居宅介護の登録者は、訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導、福祉用具貸与以外の居宅サービスを利用することはできません




問題8 正解 2・5
×1 要介護者本人の気分転換や孤独の解消などを理由に、短期入所生活介護を利用することもできます。
一人暮らしの高齢者であっても利用可能です。
2 サービスの利用にあたっては、重要事項を文書で交付して説明を行い、利用者からの同意を得るという手順は、居宅サービス利用にあたっての共通事項です。
×3 短期入所生活介護計画は、おおむね4日以上継続して利用が予定される利用者について作成します。
×4 短期入所生活介護計画は、短期入所生活介護事業所の管理者が作成することとなっています。
5 居宅サービス計画が作成されている場合は、その内容に沿ってサービスの目標、それを実現するための具体的なサービス内容を記載して作成します。




問題9 正解 1・2・4
1 夫婦で利用する場合など利用者の処遇上必要と認められる場合は、2人部屋にすることができます。
2 共同生活住居の管理者は、3年以上認知症である者の介護に従事した経験を持ち、厚生労働大臣が定める研修を終了していることが必要とされています。
×3 認知症対応型共同生活介護は、少人数による共同生活を営むことに支障がない認知症である要介護者を対象としたサービスであり、入居に際しては主治医の診断書等で申込者が認知症であることを確認します。
4 計画作成担当者は、共同生活住居ごとに配置されます。
1つの共同生活住居を有する事業所では、計画作成担当者は介護支援専門員とされ、2つ以上の共同生活住居を有する事業所では、少なくとも1人を介護支援専門員とするとしています。
×5 短期利用を除いて、認知症対応型共同生活介護利用者については、居宅介護支援は行われません。
よって居宅サービス計画も作成されません。




問題10 正解 2・3・5
×1 運営推進会議の設置は義務であり、2ヶ月に1回以上活動状況を報告し、運営推進会議による評価を受け、必要な要望、助言等を聴く機会を設けることとされています。
2 宿泊サービスの利用者が1人でも、訪問サービス対応のため夜勤1名、宿直1名の計2名が最低必要です。
宿泊サービスの利用者がいない場合は、訪問サービスの要請に備えて必要な連絡体制を整備していれば、宿直または夜勤を行う従業者を置かないことができるとされています。
3 利用者の心身の状況、希望、置かれている環境等を踏まえて、他の従業者と協議の上、援助の目標、目標達成のための具体的なサービス内容等を記載した小規模多機能型居宅介護計画を作成します。
計画の作成にあたっては、
利用者の多様な活動の確保に努めます。
×4 登録定員は、25人以下とされています。
5 具体的取扱方針として「通いサービスの利用者が登録定員に比べて著しく少ない状態が続いてはならない」としており、「著しく少ない」とは、登録定員のおおむね3分の1以下を目安としています。




問題11 正解 2・4・5
×1 介護支援専門員は1名以上配置され、入所者の数が100人またはその端数を増すごとに1人増やすこととされています。
2 アセスメントに基づいて施設サービス計画の原案を作成し、入所者や家族に説明して同意を得た上でサービスが提供されます。
×3 従業者の業務の実施状況の把握を一元的に行うことは、管理者の責務です。
4 入所者が居宅で日常生活を営むことができるかを定期的に検討することは、計画担当介護支援専門員の責務です。
5 事故が発生した場合は、市町村や入所者の家族等に連絡し、必要な措置を講じなければなりません。
また、その事故の状況ととった処置について記録しなければなりません。




問題12 正解 1・2・4
1 日常生活自立支援事業は、都道府県・指定都市社会福祉協議会が実施主体で、市区町村社会福祉協議会と協力して行う第二種社会福祉事業として規定される福祉サービス利用援助事業です。
2 日常生活自立支援事業の対象者の要件は、判断能力が不十分なために日常生活を営むのに必要なサービスを利用するための情報の入手、理解、判断、意思表示を適切に行うことが困難であること、日常生活自立支援事業の利用契約を締結する能力を有することです。
×3 日常生活自立支援事業で実施される支援は、福祉サービスの利用援助、日常的金銭管理サービス、書類等預かりサービスなどであり、相談、助言、情報提供を基本としています。
4 福祉サービスについての苦情解決制度を利用する手続きに関する援助は、福祉サービス利用援助として日常生活自立支援事業に含まれています。
×5 支援計画の作成と利用計画の締結に関する業務を行うのは、専門員です。
生活支援員は、
支援計画に基づいて具体的な支援を行います。




問題13 正解 1・2・4
1 後見開始等の審判の請求は、本人、配偶者、四親等内の親族、市町村長などが行うことができます。
補助開始の審判の請求を本人以外が行う場合は、
本人の同意が必要となります。
2 本人以外が補助開始の審判を請求する際は、本人の同意が必要となります。
×3 後見開始等の審判を請求できる親族は、四親等内とされています。
4 老人福祉法第32条に、市町村長による審判の請求が規定されています。
後見開始の審判、保佐開始の審判、保佐人に同意権を与える審判、補助開始の審判、補助人に同意権を与える審判、保佐人に代理権を与える審判、補助人に代理権を与える審判の請求を行うことができます。
×5 後見開始等の審判の請求は、家庭裁判所に行います。




問題14 正解 2・3・5
×1 介護保険の被保険者の場合は介護保険による給付が優先し、自己負担分が介護扶助の対象となります。
介護保険の被保険者が介護扶助を申請する場合というのは、
介護保険制度において要介護状態等の判定が出ているということです。
また、被保険者以外の者の要介護認定については、被保険者との間で統一を図るため、介護認定審査会に依頼することとされています。
2 介護保険の被保険者が介護扶助の申請をする場合は、指定介護機関の指定を受けた居宅介護支援事業者が作成した居宅サービス計画の写しを添付して行います。
3 介護扶助の範囲は、居宅介護、福祉用具(購入)、住宅改修、施設介護、介護予防、介護予防福祉用具(購入)、介護予防住宅改修、移送です。
×4 介護扶助は原則として現物給付ですが、これによりがたいサービスは金銭給付が行われます。
住宅改修や特定福祉用具購入は、金銭給付です。
5 介護扶助による介護の給付は、介護サービス提供の適正な実施を確保するため、介護保険法の指定を受け、かつ生活保護法による指定を受けた事業者に委託して行うこととされています。




問題15 正解 1・4・5
1 高齢者虐待防止法第5条に、養介護施設、病院、保健所、その他高齢者の福祉に業務上関係のある団体、養介護施設従事者等、医師、保健師、弁護士、その他高齢者の福祉に職務上関係のある者は、高齢者虐待の早期発見に努めることが規定されています。
介護支援専門員も、日頃から要介護高齢者にサービス提供しており、努力義務が課せられる対象です。
×2 虐待を発見した者が、市町村に通報することとされています。
×3 養介護施設とは、老人福祉法に規定する老人福祉施設、有料老人ホーム、介護保険法に規定する地域密着型介護老人福祉施設、介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護療養型医療施設、地域包括支援センターです。
4 市町村は、養護者に対する支援として、養護者の心身の状態に照らして養護の負担軽減を図るために緊急の必要があると認める場合に、高齢者が短期間養護を受けるために必要となる居室を確保するための措置を講じます。
5 都道府県知事は、養介護施設従事者等による高齢者虐待の状況、その際にとった措置、その他厚生労働省令で定める事項を毎年度公表することとされています。