介護福祉士 第27回 こころとからだのしくみ

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問題 1.

A君は、積み木を飛行機に見立ててB君と遊んでいた。
大人がA君とB君の目の前で、おやつのジュースを一人150mlずつになるように計った。
しかし、同じ大きさのコップがなかったので、それぞれ形の違うコップに入れて与えた。
A君にジュースを入れがコップを渡したところ、A君は「B君のほうが量が多い」と言って泣き出
した。
ピアジュ(Piaget,J.)によるA君の認知発達段階として、適切なものを1つ選びなさい。

1
形式的操作期

2
感覚運動期

3
前操作機期

4
再接近期

5
具体的操作期



問題 2.

プロダクティブ・エイジング(productive aging)に関する次の記述のうち、最も適切なものを
1つ選びなさい。

1
バルテス(Baltes,P.)が最初に提唱した。

2
高齢者の経済的自立を目指した概念である。

3
エイジズム(ageism)による高齢者のとらえ方を肯定した概念である。

4
主観的幸福感とは無関係である。

5
プロダクティブ(productive)な活動には、セルフケア(self-care)が含まれる。



問題 3.

老年期の精神疾患(mental disease)と精神症状に関する次の記述のうち、最も適切なものを
1つ選びなさい。

1
老年期うつ病(senile depression)は、若年者のうつ病(depression)と比べて抑うつ気分が軽い。

2
アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)は、脳の器質的変化を伴わない。

3
うつ病(depression)等で自殺を試みた高齢者が死に至る率は、若年者の場合と比べて低い。

4
せん妄(delirium)は夜間よりも昼間に生じやすい。

5
老年期に発病した統合失調症(schizophrenia)は、妄想型が少ない。



問題 4.

死別直後の遺族の心理に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1
周囲からのサポートに関係なく、死別後の生活に適応する。

2
悲嘆の経験は、心身に影響を及ぼさない。

3
悲嘆のプロセスは、多くの人で同じように進む。

4
十分に悲しむことが、悲嘆を乗り越えるために有効である。

5
遺族の心理的ケアは、緩和ケアに含まれない。



問題 5.

脱水時の状態として、正しいものを1つ選びなさい。

1
徐脈

2
血圧の上昇

3
皮膚緊張の増加

4
めまい

5
体重の増加



問題 6.

褥瘡の発生部位として、最も頻度の高いものを1つ選びなさい。

1
大転子部

2
肩甲骨周辺

3
仙骨部

4
踵部

5
肘関節



問題 7.

高齢者の肺炎(pneumonia)に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1
日本の高齢者(65歳以上)の死因順位(2011年(平成23年))で第一位である。

2
インフルエンザ(influenza)に合併することはまれである。

3
初発症状は高熱である。

4
呼吸数は減少する。

5
誤嚥性肺炎(aspiration pneumonia)の予防には口腔ケアが有効である。



問題 8.

パーキンソン病(Parkinson disease)に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1
40歳代で発症することが最も多い。

2
突進現象が認められる。

3
筋肉の異常が原因である。

4
認知症(dementia)を合併することはまれである。

5
発病後5年以内に死亡することが多い。



問題 9.

イギリスの心理学者キットウッド(Kitwood,T.)が提唱した、「パーソン・センタード・ケア(person-
centred care)」の考え方として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1
認知症(dementia)の人の行動・心理症状(BPSD)を無くすること

2
認知症(dementia)の人を特別な存在として保護すること

3
認知症(dementia)の人のケアマニュアル(care manual)をつくること

4
認知症(dementia)の人の「その人らしさ」を支えること

5
認知症(dementia)という病気を治療すること



問題 10.

認知症高齢者の日常生活自立度判定基準「ランクV」の内容として、正しいものを1つ選びな
さい。

1
日常生活に支障を来すような症状・行動や意思疎通の困難さが多少見られても、誰かが注意していれば自立できる。

2
著しい精神症状や周辺症状あるいは重篤な身体疾患が見られ、専門医療を必要とする。

3
室内での生活は何らかの介助を要し、日中もベッド上での生活が主体であるが座位を保つ。

4
日常生活に支障を来すような 症状・行動や意思疎通の困難さがときどき見られ、介護を必要とする。

5
何らかの障害等を有するが、日常生活はほぼ自立しており独力で外出する。



問題 11.

認知症(dementia)と比較した場合のせん妄(delirium)の特徴として、正しいものを1つ選びな
さい。

1
ゆるやかに発症する。

2
徐々に進行、悪化していく。

3
覚醒水準の低下を伴うことは少ない。

4
幻覚を伴うことは少ない。

5
日内変動を認めることが多い。



問題 12.

早期発見で改善が可能な認知症(dementia)として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1
正常圧水頭症(normal pressure hydrocephalus)

2
クロイツフェルト・ヤコブ病(Creutzfeldt-Jakob disease)

3
前頭側頭型認知症(frontotemporal dementia)

4
血管性認知症(vascular dementia)

5
レビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies)



問題 13.

認知症の行動・心理症状(BPSD)に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1
親しい人がわからない。

2
言葉を口に出すことができない。

3
十分に寝ることができない。

4
トイレの水を流すことができない。

5
数の計算ができない。



問題 14.

認知症(dementia)による実行機能障害に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選び
なさい。

1
いつもと違うことがあると混乱して自然な行動ができない。

2
計画を立てて段取りをすることができない。

3
交通機関の自動改札機をスムーズに通れない。

4
2つ以上のことが重なるとうまく処理できない。

5
新しいことや大切なことが覚えられない。



問題 15.

前頭側頭型認知症(frontotemporal dementia)の人によく見られる症状に関する次の記述の
うち、適切なものを1つ選びなさい。

1
社会ルールや常識的な規範が分からなくなる。

2
動作が緩慢で動きがぎこちない。

3
ちょっとしたことで泣いたり笑ったりする。

4
現実的で具体的な幻視がある。

5
料理の手順が分からなくなる。



問題 16.

ふりかけをかけたご飯を、「アリがたかっているから食べられない」と訴えるレビー小体型認知
症(dementia with Lewy bodies)の人への対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1
落ち着いて口に入れてみることを勧める。

2
「アリはいません、おなかが空くので食べてください」と促す。

3
「好きなものがありましたよ」と好物を示して食事を勧める。

4
通常のご飯に取り替えて、「もう大丈夫でしょうか」と食事を勧める。

5
「おなかが空いていないのなら、無理して食べなくてもいいですよ」と下膳する。



問題 17.

認知症サポーターに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1
認知症(dementia)の人やその家族を見守り、支援する。

2
10万人を目標に養成されている。

3
認知症介護実践者等養成事業の一環である。

4
認知症ケア専門の介護福祉職である。

5
国が実施主体となって養成講座を行っている。



問題 18.

Cさん(83歳、女性)は、昨年、夫を亡くしてから一人暮らしをしている。
ここ半年ほど自宅に閉じこもっていることが多く、他者との交流が減っている。
一人息子は、他県で家庭を築いている。
以前、夫が利用していた通所介護(デイサービス)事業所に、ある日、Cさんから次のような電話
が入った。
「物忘れが多くなり、心配になって受診したところ軽度認知障害(mild cognitive impairment)だ
と言われた。認知症(dementia)で判断が出来なくなる前に、いろいろ整理しておきたい。
夫も先に逝っていることだし、運命を静かに受け入れようと思う」
電話を受けた介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1
心配ないから気にしないように励ます。

2
他県に住む息子と同居することを勧める。

3
成年後見制度を紹介する。

4
居宅介護サービスの利用を勧める。

5
地域包括支援センターを紹介する。



問題 19.

身体障害の種類とその状態の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

1
聴覚障害 ――――― 嚥下障害

2
肢体不自由 ―――― 構音障害

3
平衡機能障害 ――― 意識障害

4
内部障害 ――――― 呼吸器機能障害

5
視覚障害 ――――― 半側空間無視



問題 20.

ノーマライゼーション(normalization)の理念に通じる制度や事業に関する次の記述のうち、最
も適切なものを1つ選びなさい。
(注)1「バリアフリー新法」とは「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」の
   ことである。
(注)2「育児・介護休業法」とは、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福
   祉に関する法律」のことである。

1
「バリアフリー新法」の制定

2
救急医療体制の整備

3
国民皆年金の実現

4
大規模な障害者入所施設の整備

5
「育児・介護休業法」の制定



問題 21.

統合失調症(schizophrenia)の陰性症状に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1
感情の動きが乏しくなる。

2
誰かに支配されているような感覚を抱く。

3
あるはずのない声が聞こえる。

4
危険な状態にあると思いこみ、強い不安や敵意を抱く。

5
話の内容が徐々に変わり、まとまりが少ない。



問題 22.

高次脳機能障害(higher brain dysfunction)の原因疾患として、正しいものを1つ選びなさい。

1
ダウン症候群(Down’s syndrome)

2
アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)

3
自閉症スペクトラム障害(autism spectrum disorder)

4
統合失調症(schizophrenia)

5
脳炎(encephalitis)



問題 23.

知的障害者に対する支援方として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1
本人のいないところで、本人のことを決める。

2
子供に接するようにかかわる。

3
失敗経験をさせないように先回りをする。

4
何かを伝えるときは、言葉だけでなく身振りや絵などを使う。

5
社会的マナーに違反したときは、時間がたってから注意する。 



問題 24.

関節リウマチ(rheumatoid arthritis)の人の関節保護の方法として、適切なものを1つ選びな
さい。

1
コップは片手で持つ。

2
荷物は指先で持つ。

3
ドアの取っ手は丸いものを使う。

4
便器に補高便座をのせる。

5
就寝時には高い枕を使う。



問題 25.

適応機制の1つである「昇華」に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1
認めたくない欲求を心の中に抑え込んでしまおうとする。

2
名声や権威に自分を近づけることで、自分の価値を高めようとする。

3
自分に都合の良い理由をつけて、自分を正当化しようとする。

4
発達の未熟な段階に後戻りして自分を守ろうとする。

5
直ちに実現できない欲求を、価値ある行為に置き換えようとする。



問題 26.

上肢リンパ浮腫のある人が日常生活で心がけることとして、適切なものを1つ選びなさい。

1
手袋をしないで庭の手入れをする。

2
体重の増加を防ぐ。

3
患側で血圧を測定する。

4
サウナ浴を行う。

5
きつめの肌着を着る。



問題 27.

Dさん(38歳、女性)は知的障害があり、障害者支援施設で生活保護を受けながら生活している。
ADL(Activities of Daily Living:日常生活動作)は自立しているが、家事や金銭管理に援助が必
要な状況である。家族から経済的・精神的な支援は期待できない。
ある日、Dさんから、「仕事はできないけれど、ここから出て暮らしてみたい」という希望があり、
検討することになった。
Dさんの地域生活を実現するための支援として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1
指定一般相談事業者の利用を勧める。

2
発達障害者支援センターに支援計画の作成を依頼する。

3
移動援護の支給申請を行う。

4
就労移行支援の利用を勧める。

5
地域包括支援センターに支援を要請する。

 



問題 28.

Eさん(35歳、女性)は、出産時に脳出血(cerebral hemorrhage)を起こした。
現在は片麻痺で車いすを利用し、高次脳機能障害(higher brain dysfunction)による注意障害
を持ちながら、乳児を育てている。
このようなEさんに対して、多職種による支援が行われることになった。
Eさんにかかわる専門職とその支援内容として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1
社会福祉主事が家事援助サービスを提供する。

2
保健師が子育て相談を行う。

3
身体障害者福祉司が治療体操を行う。

4
知的障害者福祉司が精神障害者福祉手帳の申請を行う。

5
介護支援専門員(ケアマネジャー)がサービス等利用計画を作成する。



問題 29.

記憶に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1
短期記憶では、膨大な情報の貯蔵が可能である。

2
記憶には、記銘と保持と想起の3つの過程がある。

3
手続き記憶とは、自分に起こった出来事に関する記憶である。

4
エピソード記憶とは、一般的な知識についての記憶である。

5
記憶の処理は、中脳で行われる。



問題 30.

関節運動とその主動作筋(主として働く筋肉)の組合せとして、正しいものを1つ選びなさい。

1
肩関節外転 ―――――――――――― 上腕二頭筋

2
手関節屈曲 ―――――――――――― 上腕三頭筋

3
股関節屈曲 ―――――――――――― 腸腰筋

4
股関節伸展 ――――――――――――― 腹直筋

5
足関節伸展 ―――――――――――― 下腿三頭筋



問題 31.

糖尿病(diabetes mellitus)のある人の身支度の介護で、異変の有無について特に観察すべき
部位として、適切なものを1つ選びなさい。

1
毛髪

2
耳介

3
鼻腔

4
手指

5
足趾(指)



問題 32.

廃用症候群(disuse syndrome)として、正しいものを1つ選びなさい。

1
筋肥大

2
高血圧

3
頻脈

4
褥瘡

5
躁病(mania)



問題 33.

誤嚥を防止している部位として、正しいものを1つ選びなさい。

1
甲状軟骨

2
口蓋垂

3
喉頭蓋

4
口蓋扁桃

5
食道



問題 34.

食事のたんぱく質制限が必要な疾患として、正しいものを1つ選びなさい。

1
胃潰瘍(gastric ulcer)

2
尿毒症(uremia)

3
痛風(gout)

4
脂質異常症(dyslipidemia)

5
狭心症(angina pectoris)



問題 35.

入浴による静水圧の直接的な作用として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1
毛細血管の拡張

2
関節への負担の軽減

3
下肢のむくみの軽減

4
体重による負担の軽減

5
老廃物の排泄の促進



問題 36.

弛緩性便秘の原因として、正しいものを1つ選びなさい。

1
大腸の蠕動運動の低下

2
過敏性腸病症候群(irritable bowel syndrome)

3
自律神経の失調

4
排便反射の低下

5
大腸がん(colorectal cancer)



問題 37.

多尿の原因として、正しいものを1つ選びなさい。

1
脱水

2
副交感神経優位

3
前立腺肥ひ大症(prostatic hypertrophy)

4
ビタミンC(vitamin C)の過剰摂取

5
糖尿病(diabetes mellitus)



問題 38.

睡眠に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1
ヒトは下垂体に体内時計がある。

2
抗ヒスタミン薬は覚醒作用がある。

3
睡眠は深さよりも長さが重要となる。

4
レム睡眠は30分ごとに繰り返し出現する。

5
最も深い眠りの段階はノンレム睡眠である。



問題 39.

睡眠障害に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1
入眠障害とは、眠りが浅く途中で何度も目が覚めることである。

2
レストレスレッグス症候群(restless legs syndrome)は、早朝覚醒の原因となる。

3
睡眠が不足すると、副交感神経が活発になる。

4
肥満は、睡眠時無呼吸症候群(sleep apnea syndrome)の原因となる。

5
周期性四肢運動障害は、睡眠中に大声の寝言や激しい動作を伴う。



問題 40.

Fさん(72歳、男性)は数か月前から食欲不振があり、体重も減少した。
市内の総合病院を受診したところ、末期の胃がん(gastric cancer)と診断され、緩和医療を受
けることを勧められた。
Fさんの今の心情を、キューブラー・ロス(Kubler-Ross,E.)の提唱した心理過程の第一段階に当
てはめた表現として、適切なものを1つ選びなさい。

1
「病気を治すためなら、財産を全部使ってもいい」

2
「なぜ私だけが病気になって、死ななければならないのか」

3
「診断は何かの間違いでとても信じられない」

4
「死は誰にでも訪れる自然なことだから、受け入れよう」

5
「末期がんなら、何をしてもどうせ無駄だ」 


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