介護福祉士 第27回 介護

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問題 1.

介護福祉士制度が創設された背景にあるものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

1
高齢化率が14%を超えて、高齢社会になった。

2
介護保険法が制定されて、新しい介護サービス提供の仕組みが創設された。

3
日本学術会議が、介護職員の専門性と資格制度についての意見を出した。

4
特別養護老人ホームの制度ができて、介護職員が必要になった。

5
高齢者保健福祉推進十か年戦略(ゴールドプラン)の策定によって、介護サービスの拡充が図られるようになった。



問題 2.

2010年(平成22年)の「国民生活基礎調査」(厚生労働省)に関する次の記述のうち、正しいもの
を1つ選びなさい。

1
65歳以上の者のいる世帯の場合、世帯構造別の構成割合は「単独世帯」と「夫婦のみの世帯」を合わせても半数以下である。

2
65歳以上の者のいる世帯の場合、世帯構造別の構成割合は「三世代世帯」が半数を超えている。

3
主な介護者が同居の家族の場合、「子の配偶者」が主な介護を担う割合は、「配偶者」、「子」を上回っている。

4
主な介護者が同居の家族の場合、その介護者の年齢は、男女共に60歳以上の割合が半数以上を超えている。

5
要介護者等と同居する主な介護者のうち、男性の割合は1割程度である。



問題 3.

介護福祉士に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1
介護福祉士の資格は、業務独占の資格である。

2
介護福祉士の資格は、更新制である。

3
介護福祉士になるには、都道府県知事に申請し登録しなければならない。

4
介護福祉士は、介護等に関する知識や技術の向上に努めなければならない。

5
刑事罰に処せられた者は、どのような場合も介護福祉士になれない。



問題 4.

施設利用者の生活の質(QOL)を重視した介護福祉の実践として、最も適切なものを1つ選びな
さい。

1
利用者の身体的側面だけでなく、心理的・社会的な面も含む支援を行う。

2
利用者の生活時間を職員の業務時間に合わせる。

3
利用者が疲れないように食事時間は1時間と定める。

4
利用者の居室環境の整備を最優先する。

5
利用者のニーズは画一的なものとして支援する。



問題 5.

Dさん(42歳、男性)は、営業の仕事をしていた。
休日に趣味のサイクリングの最中、交通事故に遭った。
脊髄を損傷し、対麻痺の状態になり、車いすで移動する生活になった。
Dさんに関する次の記述のうち、ICF(International Classification of Functioning, Disability and
Health : 国際生活機能分類)における「心身機能・身体構造」と「活動」の関係を示すものとして、
適切なものを1つ選びなさい。

1
移動に車いすを使う生活になり、退職することになった。

2
上肢は自由に動かせる状態であり、車いすで移動できるようになった。

3
玄関の周りをバリアフリーにすることで、一人で外出できるようになった。

4
サイクリングの楽しさを忘れられず、車いすマラソンに取り組む準備を始めた。

5
脊髄損傷のために、排尿コントロールが困難になった。



問題 6.

介護を必要とする人の個別性・多様性を意識した対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1
性別をもとに、衣類の色やデザインを選ぶ。

2
年齢をもとに、生きてきた時代を考え体験談を聞く。

3
障害特性をもとに、施設で暮らすことを勧める。

4
家族構成をもとに、人格的な特徴を判断する。

5
所得をもとに、レクリエーションの内容を考える。



問題 7.

障害基礎年金に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1
20歳未満の障害者であれば、本人の所得に関係なく受給できる。

2
20歳以上の障害者であれば、申請することで受給できる。

3
障害基礎年金で生活できない場合、申請すれば特別障害給付金を受給できる。

4
障害の程度・等級にかかわらず、支給額は一律である。

5
18歳未満の子がいる障害基礎年金受給者には、子の人数に応じた加算がある。



問題 8.

ユニットケアの理念に基づく望ましい生活環境として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1
4名以上の利用者が1つの居室で生活する。

2
1ユニットの利用者は、20名程度で構成する。

3
利用者相互の交流は、同じユニット内に限定する。

4
廊下に向かって横並びに居室を配置する。

5
ユニットを担当する職員は、一定期間固定して配置する。



問題 9.

居宅サービスのケアマネジメント過程で、介護支援専門員(ケアマネージャー)と連携するサー
ビス提供責任者の役割として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1
1か月に1回は利用者の居宅を訪問して、面接を行う。

2
利用者の希望があれば、居宅サービス計画の変更を行う。

3
居宅サービス計画に基づいて、訪問介護計画を作成する。

4
サービス担当者会議を招集する。

5
利用者がほかに利用している介護サービスの実施状況についてモニタリング(monitoring)を行う。



問題 10.

地域で高齢者虐待防止ネットワーク構築の中心になる機関として、最も適切なものを1つ選び
なさい。

1
福祉事務所

2
老人福祉施設

3
民生委員協議会

4
警察署

5
地域包括支援センター



問題 11.

セルフヘルプグループ(self-help group)の目的として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1
療養上の管理指導を行う。

2
専門的知識を提供する。

3
自助具を作成する。

4
就労移行支援の窓口になる。

5
課題を共有する。


問題 12.

Eさん(80歳、男性)は、介護老人保健施設に入所して3か月になる。
最近、夜間に大声で介護職員を呼び、介護職員が駆けつけると、「何でもない」と返事をするこ
とが繰り返されている。
そこでF介護福祉職は、Eさんの行動の意味やその背景にある気持ちを把握するため、Eさんの
話を聞いた。
Eさんは、「夜になって、一人でこれからのことを考えているとつらい気持ちになって、つい職員
さんを呼んでしまうのです。でも職員さんが来てくれると、結局何も言えなくなってしまうので
すよ。いつも申し訳ないと思ってはいるのですが」と話した。
F介護福祉職は、Eさんの了解のもと、その内容とその意味するところを他の介護職員に会議の
場で伝えた。
会議の場でのF介護福祉職の支援行動の意味として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1
利用者本位

2
プライバシーの保護

3
総合的なサービスの提供

4
利用者ニーズの代弁

5
後継者の養成



問題 13.

車いす操作の安全性に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1
車いすの点検は介護福祉職が気づいたときに行う。

2
ブレーキが利きやすいように空気圧を下げる。

3
利用者が乗っている車いすを2台同時に押す。

4
ドアを片手でおさえながら、利用者の車いすを押す。

5
急勾配のスロープを降りるとき、車いすは後ろ向きにする。



問題 14.

内閣府が2010年(平成22年)に実施した「高齢者の住宅と生活環境に関する意識調査」の「自
宅における転倒事故」に関する回答の中で、転倒が最も多かった場所として、正しいものを1つ
選びなさい。

1
玄関・ホール・ポーチ

2
居間・茶の間・リビング

3


4
便所

5
浴室



問題 15.

疥癬(scabies)とその対策に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1
マダニが皮膚に寄生することで発生する皮膚病である。

2
感染した皮膚に変化が見られない。

3
感染した利用者は他の利用者と同室でよい。

4
感染した利用者の衣類や寝具の洗濯は他の利用者のものと一緒でよい。

5
感染した利用者の入浴は、順番を最後にする。



問題 16.

Gさん(30歳、女性)は介護福祉職として介護老人福祉施設で働いてから1年が経過した。
最近、夜勤で初めて利用者の看取りを行い、無力感を経験した。
その後、気持ちの落ち込みがあり、仕事にも支障が出そうになった。
Gさんへの職場の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1
看取りのケアについてチームで話し合いをする。

2
Gさんの好きなものをプレゼントする。

3
気持ちが楽になるように、親睦会を開く。

4
看取りの経験を忘れるように、しばらく夜勤を免除する。

5
仕事に支障が出そうになったので、長期休暇を取ってもらう。



問題 17.

バイステック(Biestek ,F.)の7原則を介護場面に適用したときの記述として、適切なものを1つ
選びなさい。

1
「個別化」とは、利用者に具体的な指示を出すことである。

2
「意図的な感情表出」とは、介護福祉職の感情表出を大切にすることである。

3
「統制された情緒的関与」とは、利用者の感情をコントロールしてかかわることである。

4
「受容」とは、利用者の同意を得ることである。

5
「非審判的態度」とは、介護福祉職の価値観で評価せずに利用者にかかわることである。



問題 18.

介護福祉職が利用者とコミュニケーションを図るときの基本として、最も適切なものを1つ選び
なさい。

1
緊張感が伝わるように、背すじを伸ばして接する。

2
愛称で呼んで心理的距離を近づける。

3
自分の意見と違っても賛同する。

4
利用者の言葉に感情的に反応する。

5
利用者の主観的な訴えに耳を傾ける。



問題 19.

利用者と家族が対立しているとき、介護福祉職の初期の対応として、最も適切なものを1つ選
びなさい。

1
両者がそれぞれの思いを語り合う場をつくる。

2
どちらが正しいか、専門職としての判断を伝える。

3
他の家族の解決例を紹介する。

4
利用者の判断が間違っている場合、家族の判断を支持する。

5
専門職としての役割を果たすために、責任を持って一人で対応する。



問題 20.

Hさん(80歳、女性)は、介護老人福祉施設に入所している。
アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)と診断されており、複数の話題
や複雑な内容を理解することは困難である。いつも同じ話を繰り返している。
Hさんが同じ話を繰り返すときの介護福祉職のかかわり方として、最も適切なものを1つ選びな
さい。

1
時間の流れに沿って、話すように伝える。

2
新しい話題を提供する。

3
話の内容に沿った会話をする。

4
ゆっくり、はっきり話すように伝える。

5
途中で話を中断する。



問題 21.

行動・心理症状(BPSD)のある認知症(dementia)の人への介護福祉職の対応として、最も適切
なものを1つ選びなさい。

1
「何もやる気がしない」に対して、励ます。

2
「失敗しそうで怖い」に対して、かかわりを少なくする。

3
「財布を盗まれた」に対して、利用者と話し合う。

4
「亡くなった人が立っている」に対して、受容する。

5
「夫が呼んでいるので家に帰りたい」に対して、帰らないように指示する。



問題 22.

介護福祉職が行う報告に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1
状況を詳細に述べてから結論を報告する。

2
自分の主観的意見を中心に報告する。

3
報告の内容にかかわらず、報告のタイミングは上司の都合に合わせる。

4
指示を受けた仕事の報告は、指示者へ行う。

5
抽象的な表現に整理して報告する。



問題 23.

次の事例を読んで、問題23、問題24について答えなさい。

[事例]
 J介護福祉職は介護老人福祉施設で勤務して1年目である。
 担当利用者Kさんの家族が面会に来た時に、「衣服が散らかっているから整理して欲しい」と
 言われた。J介護福祉職は自分の判断で衣服の整理を行った。
 その1週間後、Kさんの家族から、「まだ十分に整理できていない」と苦情を受けた。
 J介護福祉職にとっては初めての苦情であった。J介護福祉職は上司に報告した。

J介護福祉職が上司に報告する内容として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1
Kさんの最近の日常生活のこと

2
衣服の整理の仕方に問題がないこと

3
自分が責任を持って苦情処理すること

4
苦情を受け、まだ解決していないこと

5
衣服の散乱は、Kさんの認知症(dementia)の悪化が原因だということ



問題 24.

その後、J介護福祉職は上司に、家族への対応方法について相談した。
上司のJ介護福祉職への助言として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1
「家族の指摘は気にしなくていいですよ」

2
「家族とKさんが一緒に衣服の整理をするように伝えたらどうですか」

3
「家族に衣服の数を減らすように助言したらどうですか」

4
「私に相談する前に自分で考えてください」

5
「私と一緒に考えましょう」



問題 25.

生活に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1
生活は、食事と排泄と睡眠の3つの要素で構成される。

2
生活空間とは、居間と寝室のことである。

3
生活圏とは、どのライフステージ(life stage)でも同じである。

4
高齢者の生活様式は、画一化されている。

5
生活時間は、その人独自のものがある。



問題 26.

介護保険の給付対象となる住宅改修として、正しいものを1つ選びなさい。

1
寝室の近くにトイレを増設する。

2
階段に昇降機を設置する。

3
手すりを取り付けるために壁の下地を補強する。

4
浴室内にすのこを置く。

5
浴室に暖房機を設置する。



問題 27.

トイレの環境整備として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1
就寝時の寝室よりも照明を明るくする。

2
介助が必要な場合は、洋式便所の後方に介助スペースを確保する。

3
出入り口の扉は、外開きより内開きの方が良い。

4
L字型手すりの直径は、50o程度を目安にする。

5
縦手すりは、様式便座の先端よりも後方の側面に設置する。



問題 28.

電気かみそりを使ったひげそりの方法として、適切なものを1つ選びなさい。

1
蒸しタオルを当ててひげを柔らかくする。

2
電気かみそりを皮膚に強く押し当てる。

3
電気かみそりを皮膚に対して直角に当てる。

4
ひげの流れに沿って剃る。

5
顎の下などの湾曲した部分は、皮膚を寄せるようにして剃る。



問題 29.

介護が必要な利用者の口腔ケアの方法として、適切なものを1つ選びなさい。

1
ベッド上で実施する場合、仰臥位(背臥位)にする。

2
全部床義歯(総入れ歯)の場合、上からはずす。

3
ブラシの部分が大きく硬い歯ブラシを選ぶ。

4
うがいができる場合、ブラッシング前にうがいをする。

5
舌苔は残さず取り除く。



問題 30.

右片麻痺の利用者がベッドから立位になるときの介護方法として、適切なものを1つ選びなさい。

1
利用者の右膝に手を当て、立ち上がるのを補助する。

2
麻痺側の下肢を外転させる。

3
背すじを伸ばしたまま立ち上がるように、声をかける。

4
ベッドに深く腰掛けるように、声をかける。

5
利用者の左側に立つ。



問題 31.

ボディメカニクスの基本原則に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1
介護者の支持基底面積は、狭くとる方が身体は安定する。

2
介護者は体幹をねじらず、足先を移動の方向に向ける。

3
介護者は大きな筋群よりも、指先や腕の力を使う。

4
介護者は重心を、できるだけ高くする。

5
利用者の身体をベッド上で水平移動する場合は、背部が接する面積を広くする。



問題 32.

視覚障害のある利用者の歩行介助をするときに、利用者に介護者のからだを握ってもらう基本
的部位として、最も適切なものを1つ選びなさい。
(注)介護者は進行方向を向いて、利用者の前方に背中を向けて立っている。
  介護者の左側は車道である。

1
介護者の左肩

2
介護者の左腰付近

3
介護者の右肘上

4
介護者の右手首

5
介護者の右手



問題 33.

Lさん(83歳、女性)は、誤嚥性肺炎(aspiration pneumonia)の既往があり、要介護2の判定を受け
ている。週2回、通所リハビリテーションを利用している。
今日、通所リハビリテーションに来たLさんは、提供された食事をほとんど食べていない。
食事以外に摂取している水分は、1日200〜300mlだという。
Lさんの手の甲の皮膚をつまむと、つまんだ形がそのまま残った。
尿量も少なく、尿の色は濃い黄色であった。
Lさんへの対応として、適切なものを1つ選びなさい。

1
散歩を勧める。

2
入浴を勧める。

3
コーヒーを勧める。

4
おやつにゼリーを勧める。

5
食事の一時休止を勧める。



問題 34.

介護が必要な利用者の状況に応じた食事の提供に関する次の記述のうち、最も適切なものを
1つ選びなさい。

1
片麻痺の人には、頭部を後屈させて介護する。

2
視覚障害の人には、クロックポジションで説明する。

3
嚥下障害の人には、食事の温度は体温と同程度にする。

4
構音障害の人には、会話をしながら食事することを勧める。

5
認知症(dementia)の人には、その人が好む献立を繰り返し提供する。



問題 35.

食品の凝固に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1
ゼラチン(gelatin)は沸騰した湯で溶かす。

2
寒天は常温で固まる。

3
片栗粉は熱湯で溶いてから加える。

4
ペクチン(pectin)は精製塩で固まる。

5
増粘剤(とろみ剤)は添加後、かき混ぜずに提供する。



問題 36.

入浴介護に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1
埋込式ペースメーカーを装着している人は、シャワー浴にする。

2
人工肛門(ストーマ(stoma))のある人は、湯が入らないように装具をつける。

3
酸素療養中の人は、鼻カニューレを外して入浴する。

4
血液透析を受けている人は、透析直後の入浴を控える。

5
腹水がある人は、洋式タイプの浴槽に横たわった状態で入浴する。



問題 37.

おむつ交換時に配慮することとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

1
他の利用者がいる場合でも「おむつを替えますよ」と直接的な表現で伝える。

2
清拭用の温タオルの温度を感じるために、手袋は使わずに陰部を拭く。

3
陰部洗浄をする場合は、ぬるま湯を使う。

4
紙おむつの腹部のテープは、上のテープと下のテープを平行に止める。

5
腹部とおむつの間に隙間を作らない。



問題 38.

機能性尿失禁がある利用者の介護に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1
症状の改善に、骨盤底筋群を鍛える体操が効果的である。

2
尿路の疾患が疑われるので、泌尿器科の受診を勧める。

3
トイレを洋式に替えて、洗浄機能付き便座を設置する。

4
留置カテーテルを使用する。

5
早めのトイレ誘導を行う。



問題 39.

Mさん(77歳、女性)は一人暮らしである。半年前に転倒し、1か月間入院した。
退院後は自宅にこもるようになり、週1回の訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用するよう
になった。
ある朝、訪問介護事業所に、別居の長男から「母が悪質商法の被害に遭っているようです」と
連絡があった。
訪問販売で3か月間に高価な和服を次々に買っていて、Mさん名義の預金が100万円近く減っ
ているという。
長男は、「ほかにも買っているかもしれませんから、母の部屋を探してください。買った和服は
着る機会もないのでクーリング・オフをさせます」と言い、すぐにでも手続きをとりたい様子で
ある。
この日、訪問する訪問介護員(ホームヘルパー)の最初の対応として、最も適切なものを1つ選
びなさい。

1
ほかにも被害がないかどうか、Mさんの部屋の中を探す。

2
クーリング・オフが可能かどうか契約書の日付を確認する。

3
Mさんに和服を買うようになった経緯を確認する。

4
Mさんに和服を買うことが浪費であることを説明する。

5
販売業者にクーリング・オフの連絡を入れる。



問題 40.

片麻痺のある利用者が着脱できる衣服を選択するときの助言として、最も適切なものを1つ選
びなさい。

1
留めるボタンが小さいブラウスを勧める。

2
かぶり式のセーターを勧める。

3
股上の浅いスラックスを勧める。

4
伸縮性のないスラックスを勧める。

5
ウエストをひもで結ぶスラックスを勧める。



問題 41.

2013年(平成25年)の「家計調査」(総務省統計局)における高齢単身無職世帯の家計収支に関
する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1
主な収入源は仕送りである。

2
主な支出は保健医療費である。

3
1か月の実収入は15万円を超える。

4
消費支出が可処分所得を上回っている。

5
非消費支出は5千円以下である。



問題 42.

安眠のための介護に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1
午後に1時間以上の昼寝をするように勧める。

2
なるべく早い時間に床に就くように勧める。

3
日中、適度な疲労が得られる運動をするように勧める。

4
寝る前に熱めのお風呂に入るように勧める。

5
寝る前に緑茶を飲むように勧める。



問題 43.

Aさん(80歳、男性)は、自宅で妻と二人暮らしである。糖尿病(diabetes mellitus)で通院していた。
2年前、肺がん(lung cancer)が発見され、抗がん剤による治療を行っていたが、数か月前から効
果が少なくなり中止した。
骨転移(bone metastasis)による痛みがあり、麻薬性鎮痛剤を使用している。
Aさんは、「できるだけ家で暮らしたい」と希望している。
寝ていることが多いが、トイレには伝い歩きで行くことができる。
食欲はなく、食事を残すことが多い。
妻は訪問介護員(ホームヘルパー)にAさんの日常生活について不安を訴えた。
妻への訪問介護員(ホームヘルパー)の助言として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1
「家では心配なので、入院しましょう」

2
「ポータブルトイレにしましょう」

3
「麻薬は怖いので、増やさないようにしましょう」

4
「好きなものを食べてもらうようにしましょう」

5
「なるべく寝ているようにしましょう」



問題 44.

介護老人福祉施設で臨終期にある人の介護として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1
昼夜の区別を明確にするような照明にする。

2
定期の入浴を行う。

3
夜間の巡回は控える。

4
安楽な体位を保持する。

5
仲の良い入所者の面会を控える。



問題 45.

アセスメント(assessment)に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1
今できている活動の分析はしない。

2
これからできそうな活動の予測はしない。

3
利用者が嫌がることは検討しない。

4
他職種からの情報は検討しない。

5
1つの情報だけで検討しない。



問題 46.

Bさん(80歳、女性)はアパートの3階に一人で暮らしている。アパートにはエレベーターはない。
5年前、階段で転倒し、右大腿骨頭置換術を行った。現在、歩行には問題がない。
社交的であったが、最近外出の回数が減った。
友人が転んで大けがをしたこともあり「転びそうで怖い」と言っている。
Bさんへの生活支援の課題として、最も優先すべきものを1つ選びなさい。

1
アパートにエレベーターがないこと。

2
転倒の不安があること。

3
一人暮らしであること。

4
手術の既往があること。

5
外出の機会が減っていること。



問題 47.

Cさん(83歳、女性)は、アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)で、介護
老人保健施設に入所している。
最近、もの盗られ妄想がひどくなり、「時計がない」「金の時計だから盗まれた」「嫁が盗んだ
に違いない」と言い、週末に訪れる長男の妻のDさんに対して大声で、「返して」と言っている。
Cさんへの介護目標として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1
行動・心理症状(BPSD)を改善する。

2
Dさんの汚名を晴らすことができる。

3
Dさんと穏やかに過ごすことができる。

4
説明を受けて理解することができる。

5
興奮時は薬で鎮静を図る。



問題 48.

介護計画に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1
生活課題を解決するための方法を計画する。

2
効果があればアセスメント(assessment)せずに計画する。

3
日常的な支援以外の方法を計画する。

4
介護福祉職の過去の成功体験をそのまま取り入れて計画する。

5
実現不可能でも目標を持って計画する。



問題 49.

訪問介護員(ホームヘルパー)が介護計画に基づいて、いつものようにEさん(80歳、男性)に
「一緒に洗濯物を干しましょう」と声をかけた。
するとEさんが「どうしてそんなことをやらないといけないんだ」と大声をあげた。
このようなことが何回も続いた。
この場面の訪問介護員(ホームヘルパー)のアセスメント(assessment)として、最も適切なもの
を1つ選びなさい。

1
認知症(dementia)の診断を急いでもらう必要がある。

2
声が外に漏れないように工夫する必要がある。

3
大声をあげる背景を確認する必要がある。

4
決められたことなのでやってもらう必要がある。

5
家族から励ましてもらう必要がある。



問題 50.

介護過程の評価の実施に責任を持つものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

1
利用者

2
家族

3
介護福祉職

4
医療関係者

5
行政機関



問題 51.

次の事例を呼んで、問題51,問題52について答えなさい。

[事例]
 Fさんは10年前、パーキンソン病(Parkinson disease)と診断された。
 ADL(Activities of Daily Living:日常生活動作)全般に、動作がゆっくり時間がかかる。
 Fさんは大柄だが、長女は小柄でやせており、入浴介助が難しい。
 訪問介護(ホームヘルプサービス)を週3回(入浴介助、長女が留守の時の調理)、通所リハビ
 リテーションを週1回、配食サービスを週1回利用している。
 居宅介護サービス計画の方針は、Fさんの体調に考慮しながら、住み慣れた自宅で安心して暮
 らせるように支援することである。
 ある日、長女から「お弁当を食べていないことが時々ある」「お父さんが重くて腰が痛い」「そ
 ろそろ施設入所を考えている」と話があった。
 訪問介護員(ホームヘルパー)はFさんの声が小さく、言葉がはっきりせず聞き取りにくくなっ
 たと感じている。

訪問介護員(ホームヘルパー)は、居宅介護サービス計画の変更を提案したいと考えている。
Fさんの主観的情報を得る方法として、正しいものを1つ選びなさい。

1
体重を測定する。

2
Fさんの考えを聞く。

3
食事摂取量を確認する。

4
表情から気持ちを推測する。

5
長女に息子の協力の有無を聞く。



問題 52.

チームアプローチ(team approach)での訪問介護員(ホームヘルパー)の役割として、最も適切
なものを1つ選びなさい。

1
配食サービスをやめて、訪問介護(ホームヘルプサービス)を増やすように計画を変更する。

2
施設への入所手続きを代行する。

3
浴室を改修する見積もりを業者に依頼する。

4
本人と家族の思いをケアカンファレンス(care conference)で報告する。

5
訪問介護員(ホームヘルパー)の腰痛予防対策をケアカンファレンス(care conference)で話し合う。


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