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〔事 例〕
Hさん(80歳、男性)は、娘には老後の心配をかけたくないと考えて、2年前に夫婦で
軽費老人ホームに入所した。物静かな性格で賑やかな場所は苦手である。
身の回りのことは自分でできる。10年前に糖尿病(diabetes mellitus)にかかり、毎日、
朝食前に自分でインスリン注射をしている。半年前、妻が突然亡くなった。
妻がいるころは、妻と一緒に散歩をしたり、妻が食事にも気を配ってくれていたので
血糖値は安定していた。妻の死後は自己注射を介護職が見守っている。
Hさんは介護職に、「妻が亡くなった直後は、いろいろと忙しくて寂しいとは思わなかった
が、半年たった今ごろになってとても寂しくなり、自然に涙が出たりする」と言った。
Hさんに対して介護職が行うグリーフケア(grief care)として、最も適切なものを1つ選び
なさい。
1
Hさんと相談して、思い出話ができる人たちに集まってもらう
2
悲しみは時間とともに消失するので、そっとしておく
3
悲しみは糖尿病(diabetes mellitus)には影響しないので、そのままにしておく
4
少しでも早く立ち直ってもらうために、娘の家に行くことを勧める
5
元気を出してもらうために、カラオケ大会を開く
さらに2か月後の定期受診のときに、医師はHさんに「血糖値が高くなってきているので
注意してください」と指導し、同行した介護職には「合併症に気をつけて観察してください」
と言った。
Hさんの日常生活の中で、合併症の早期発見のために介護職が観察すべき視点として、
最も適切なものを1つ選びなさい。
1
小刻み歩行の有無
2
視力の低下の有無
3
不眠の有無
4
嗅覚の低下の有無
5
聴力の低下の有無
受診後Hさんは、「できるだけ自分で健康管理をして、ここで生活していきたいので協力
してほしい」と介護職に話した。
介護職が行った支援として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1
運動をしていたので励ました
2
部屋の掃除を頼まれたが断った
3
仲の良い利用者と間食をしていたので、その場で注意した
4
インスリン注射の見守りを中止した
5
妻のことは何も話さないようにした
〔事 例〕
Jさん(84歳、男性)は、20年前に脳梗塞(cerebral infarction)を発症し、後遺症で
軽度の左片麻痺となった。
屋内では、T字杖を使用すれば歩行できるが、転倒するのが心配で、ほとんど外出
しなかった。
1年ほど前から、夜よく眠れない、通院する曜日を間違える、薬を飲み忘れるなど
の状態になり、血管性認知症(vascular dementia)と診断された。
半年前から夜間の不穏状態や妻への暴力行為がたびたび出現するようになり、妻
が介護しきれなくなって、Jさんは介護老人福祉施設に入所することになった。
入所後も施設内はT字杖を使用して、歩行は可能であった。
しかし、慣れない場所で、より不安が強くなっているようすであった。
Jさんは入所後、トイレと食堂へ行くとき以外は居室から出てくることが少なくなり、
周りの利用者と話すこともなくなってきた。
その後、食堂へも行かなくなり、ベッドで食事をするようになった。
介護職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1
身の回りのことは1人で行うように励ます
2
居室を出るように、何度も促す
3
今の生活についての思いを聴く
4
寝食分離について理解できるように、説明する
5
Jさんの希望どおりにする
Jさんは妻との面会には穏やかに接する日と、暴力的な行動をとる日がある。
このようなJさんの症状に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1
認知症(dementia)の人に共通してみられる
2
この症状を中核症状とよんでいる
3
本人の身体的な要因や、周囲の状況が影響を与える
4
この症状は認知症(dementia)が進行しても変化しない
5
認知症(dementia)の初期症状に起こりやすい
Jさんは入所後2か月を過ぎても周囲とのかかわりはほとんどないが、「若いころは
空手の指導者もしていた」と明るい表情で介護職に自慢することがある。
現在の生活を改善するための介護職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1
ポータブルトイレの利用を勧める
2
部屋替えを行う
3
ベッドの配置を変える
4
施設での集団プログラムへの参加を促す
5
特技を活かしたレクリエーションを企画する
〔事 例〕
Kさん(43歳、女性)は、8年前に関節リウマチ(rheumatoid arthritis)を発症した。
現在は、治療の効果で症状の進行がおさえられている。
公的な制度を使うことができるように、必要な認定を受けている。
Kさんは夫と2人で暮らしており、夫は朝早くKさんの朝食を作り、仕事に出かける。
Kさんは肩関節や肘関節、股関節の可動域が狭く、左手指の巧緻性も低下している。
お昼ごろからは、室内を自分の力で歩き、リーチャーや道具を工夫して家事を行う
こともできる。
しかし、からだの動きにくい午前中は、公的な制度を利用し、介護職に自室の掃除
を依頼している。
Kさんが訪問系サービスを依頼するとき、優先的に使用するサービスを規定している
制度として、正しいものを1つ選びなさい。
1
障害者自立支援法
2
介護保険法
3
難病対策要綱
4
障害者基本法
5
生活保護法
Kさんは、股関節の屈曲制限があるので、便座を高くし、トイレ動作が自立できるよう
に工夫する必要がある。
トイレットペーパーを右斜め前方に設置する場合、Kさんが便座に座った状態で、どの
位置の高さにしたらよいか、適切なものを1つ選びなさい。
1
大腿骨骨頭
2
上腕骨中間部
3
脛骨中間部
4
鎖骨
5
腓骨中間部
Kさんは右利きであり、食べ物を口まで運ぶことが難しくなってきている。
Kさんが自立した食事を継続するために必要なスプーンの工夫として、最も適切な
ものを1つ選びなさい。
1
重量を軽くする
2
柄を短くする
3
握りを太くする
4
スプーンを大きくする
5
すくう部分を左に曲げる
〔事 例〕
L君(12歳、男性)は、6歳のとき、アスペルガー症候群(Asperger's syndrome)と
診断された。
てんかん(epilepsy)を合併しており、1か月に1回程度、身体の脱力発作が起こる
ことがある。
現在は、アスペルガー症候群(Asperger's syndrome)を理由に療育手帳を取得し
て、特別支援学校(小学校6年)に通学している。
靴に強いこだわりがあり、靴が替わっていたり、玄関に置いてある位置がいつもと
違ったりすると次の行動ができずに、スクールバスに乗り遅れてしまうことがある。
学校では、興味のあることはよく友達と話をするが、話が終わらないこともあり、
悪気はないのに失礼な発言をすることがある。
教室の中が騒がしかったり、大きな音がすると耳を手でふさいでしまう。
また、運動が大好きで、特に泳ぐことには積極的である。
家では決まった場所で食事をして、決まった時間に決まったテレビを見て過ごして
いる。しかし、そのパターンが崩れると落ち着きがなくなる。
L君の障害特性に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1
言葉の遅れがみられる
2
計算するのが苦手である
3
自分のことばかり話す
4
動き回る
5
何度言っても忘れ物をする
L君は自宅からスクールバスの乗り場まで介護職の送迎の支援を受けている。
L君に対する介護職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1
一度に多くのことを指示する
2
毎日靴を替える
3
大きな声で話しかける
4
途中でもL君の話を終わらせる
5
L君と一緒に予定を確認する
L君が地域のプールに行く場合、障害者自立支援法に基づくサービスで活用できる
ものとして、正しいものを1つ選びなさい。
1
自立訓練
2
同行援護
3
重度障害者等包括支援
4
行動援護
5
コミュニケーション支援
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