介護福祉士 第22回 介護技術 解説


[問題1] 解答2

よく眠れなかったと訴える利用者に対して、眠れないことはあるという訴えを問題視しない意見を述べることは不適切である。

正しい。
眠れないのは辛いという共感的な意見を言うことは適切な対応である。

見回りをした時には寝ていたという否定的な意見を言うことは不適切である。

看護師などの医療職に報告することは大切であるが、まずは利用者の気持ちを共感的に受け止める必要がある。

しばらく寝ていた方がよいと再度寝るように助言することは不適切である。
この場合、利用者の気持ちを共感的に受け止めるとともに、利用者の状態に応じて昼間の活動量を増やすなどの対応を図ることが大切である。



[問題2] 解答4

適切である。

適切である。

適切である。

体温が低下する要因として、睡眠がある。

適切である。



[問題3] 解答3

腰掛便座は、介護保険の特定福祉用具販売種目である。

簡易浴槽は、介護保険の特定福祉用具販売種目である。

歩行補助つえは、介護保険の福祉用具貸与種目である。

入浴用介助ベルトを含む入浴補助用具は、介護保険の特定福祉用具販売種目である。

移動用リフトのつり具を除く移動用リフトは介護保険の福祉用具貸与種目であるが、移動用リフトのつり具は特定福祉用具販売種目である。



[問題4] 解答4

立位では両足をそろえるよりも、足を少し開いて足底をしっかりつける方が安定した姿勢を保持することができる。

椅座位では利き手側の肘掛に体重をかけるのではなく、両側の手を肘掛に置き、両側の体重のバランスが均等になるように座ることで、安定した姿勢を保持することができる。

つえを使った立位では、つえを身体に密着させるのではなく、つえを前方に位置するように置くことで安定した姿勢を保持することができる。

正しい。
ベッドでの端座位の場合には、利用者の足底がしっかり着くようにベッドの高さを調整する必要がある。

側臥位では身体をまっすぐにするのではなく、膝を曲げるようにすることで、安定した姿勢を保持することができる。



[問題5] 解答3

正しい。
高齢者の脱水では体内の水分量が低下しているため、尿量も減少する。

正しい。
体内の水分量が低下しているため、腋下の湿り気がなくなる。

高齢者の脱水では、通常、体温が上昇する。

高齢者の脱水症状の1つとして意識障害があり、まなざしがうつろになるなどの症状がみられる。

体内の水分量が減少しているため、舌が乾燥するなどの口渇がみられる。



[問題6] 解答2

正しい。
下痢の症状など健康状態に変化がみられた場合には、速やかに医療従事者に報告する必要がある。

下痢の症状がみられる利用者に対して水分摂取を制限した場合、脱水を生じる危険がある。

正しい。
陰部の不潔状態は感染症などの様々な疾患を生じる危険があるため、排便後に陰部洗浄を行うなど清潔の保持を図る必要がある。

正しい。
腹部の冷えによって下痢を生じる場合があるため、腹部を冷やさないように対応することは適切である。

この場合、食中毒による下痢の危険性もあるため、食事内容を確認する必要がある。



[問題7] 解答2

利用者の衣服は、起床時・外出時・入浴時などその場面に応じて、適宜着替えるように支援を行う必要がある。

正しい。
着脱介助を行う際には、着替えの前後に利用者の体調を確認するなどによって、利用者の健康管理を図る。

着脱介助を実施する際には、利用者の尊厳の保持を徹底する必要があり、他の利用者など他人に見られないように居室内のカーテンを閉めるなどの対応が必要である。

その利用者の状態に応じて座位などの姿勢をとることが適切であり、仰向けの姿勢では着脱行為は行いにくい。

利用者の衣服は介護従事者の好みで決めるのではなく、できる限り利用者自身で選択・決定できるように支援するとともに、できない場合には利用者の好みに合わせて衣服を決める必要がある。



[問題8] 解答5

寝たきりで自分で体位交換できない者に対して体位変換を行わなかった場合、褥瘡を生じる危険がある。

体位変換を行う際には、必ず声かけを行う必要がある。

マットレスと体の接着面が大きいほど、体圧を分散させることができる。
体とマットレスとの間にできた空間をそのままにした場合、マットレスの接着部位への体圧が大きくなるため、褥瘡を発生させる要因となる。

褥瘡発生の要因には、長時間の同一体位があり、その予防として定期的な体位変換を行う必要がある。
今の状態が楽だと利用者が言った場合であっても、2時間後に体位変換を行う必要がある。

正しい。
利用者の希望に応じて、利用者が心地よいと感じる体位にすることが大切である。



[問題9] 解答1

口腔ケアの効果として、唾液分泌量の抑制ではなく、唾液分泌量の増加がある。

口腔ケアの効果として、口臭の改善がある。

口腔ケアの効果として咀嚼・嚥下機能の改善があり、誤嚥性肺炎の予防につながる。

口腔ケアの効果として、歯周病やう蝕などの口腔疾患の予防がある。

口腔ケアの効果として、味覚の改善や咀嚼・嚥下機能の改善があり、食欲の増進につながる。



[問題10] 解答4

低温やけどの場合、損傷部分を冷やす必要がある。

手からの出血は、出血部位を心臓より高くする。

骨折への応急手当は、患部が腫れている場合には、冷やすとともに自分の判断で正常の位置に戻してはならず、骨折箇所を動かさないように固定する。

正しい。
すり傷は、水道水で十分に洗い流す必要がある。

まずは、のどに詰まった物が吐き出せるよう、咳をするように促す必要がある。
咳で吐き出せない場合には、背部叩打法によって対応する。



[問題11] 解答2

介護記録は利用者の同意を得た上で、介護職員などの専門職や利用者本人、利用者の家族で共有する必要がある。

正しい。
個人情報のデータベース管理にはパスワードを使い、簡単にアクセスできないようにする必要がある。

家族が情報開示を求めた場合、当該家族に必要な情報だけを開示する必要がある。
そのため、他の利用者の情報も保管されている保管場所への入室を認めることは不適切である。

介護記録の保管の責任は記録者だけでなく、施設・事業所の管理者などの職員全員にある。

ケースカンファレンスに出された介護記録は、個人管理とはせず、施設・事業所として管理する必要がある。



[問題12] 解答4

食事動作は比較的に自立しているEさんに対して、全介助で食事を行う必要はない。
ただし、食事量が少なくなっているので、食事量の増加に向けた支援を行う必要はある。

日中の睡眠時には、Eさんに対して声をかけて起こし、活動などの参加を促す必要がある。

入浴を拒むEさんに対して、清潔保持を図るため入浴を勧める必要がある。

正しい。
排便後は清潔保持や感染症などの疾患への予防を図るため、陰部洗浄を行うことが大切である。

比較的一人でいることが多いEさんに対して、行事への参加を促すなどによって、交流の機会の確保に向けた対応を図る必要がある。



[問題13] 解答5

紙おむつを使用することは、排泄の自立の妨げとなる。
Eさんにその旨を説明し、紙おむつを使用しないことを納得してもらうことが大切である。

排泄の失敗の防止や排泄の習慣をつけるため、定期的にトイレへの誘導を行う必要がある。

就寝中は体内の水分が減少するため、就寝前の水分摂取を制限することは不適切である。

現在のEさんの状況では、留置カテーテルの使用について医療職と相談する必要はない。

正しい。
排泄の自立を図るため、排泄の間隔などを観察してEさんの排泄習慣を把握することが大切である。




[問題14] 解答2

「元気を出しましょうよ」という励ます対応は、精神的な圧迫や負担を与えるため行ってはならない。

正しい。
Eさんの言葉を受け止めて、共感的な理解を示すことが大切である。

Eさんの言葉を受け止めて共感的な理解を示す必要があるとともに、「生きていてもしょうがない」という発言の理由を把握することに努める必要がある。
また、場合によっては話題を転換することもあるが、入浴を拒むEさんに対して「お風呂に入って気分転換しませんか」という発言は不適切である。

「まず体の状態をよくしましょう」と返すことは、言葉の受け答え方として不適切であるだけでなく、捉え方によっては否定的にもとれる発言である。

「そんなことを言わないでください」という、Eさんの発言を否定するような言い方は不適切である。



[問題15] 解答1

立ち上がり動作の際に、介助者は利用者の患側を補助するものの、利用者の右上肢を介助者の肩に乗せる対応はしない。

適切である。

適切である。
体幹を十分に前屈させ前傾姿勢にすることで、立ち上がり動作が容易になる。

適切である。
右片麻痺があるFさんに対して歩行の際に、つえ→右足(患側)→左足(健側)の順に出すことは適切である。

適切である。



[問題16] 解答4

にんじんスティックは繊維質が多く誤嚥しやすいため、不適切である。

水分を摂取するとむせることが多いFさんには、清涼飲料水は不適切である。

とうもろこしなど薄皮があるものは誤嚥しやすいため、不適切である。

適切である。

ピーナッツは誤嚥しやすいため、不適切である。



[問題17] 解答5

訪問介護員の判断で訪問日数を増やすことはできないため、不適切な発言である。

トイレで排泄しているFさんに対して、排泄の自立の妨げとなるおむつの使用を提案することは不適切な発言である。

Fさんにとって妻の存在は大きく、献身的に介護を行っているFさんの妻に対して介護負担の軽減を図る必要はあるものの、「介護をしないでいい」と介護を放棄するような発言は不適切である。

介護疲労を訴えているFさんの妻に対して、励ますという対応は精神的な圧迫・負担につながるため、行ってはならない。

正しい。
介護の軽減を図るため、居宅サービス計画を作成するケアマネージャーに相談することを勧めることは適切な対応である。



[問題18] 解答1

この場合、退院後すぐのGさんと同居する夫の表情や動作を確認するとともに、2人の生活状態を確認することが大切である。

Gさんが入院中の状態と比べて現在の状態が良くなっているかなどを確認する必要はあるが、この時点で確認する事項として優先度は高くない。

訪問介護において食事介助の支援を行う場合には、Gさんの好きな食べ物を知る必要はあるが、この時点で確認する事項として優先度は高くない。

介護を行う上で家屋の構造を知る必要はあるが、この時点で確認する事項として優先度は高くない。

Gさんとコミュニケーションを図る際に子供や孫の話題を出すことは適切であるが、この時点で確認する事項として優先度は高くない。



[問題19] 解答3

適切である。
夫とともに下肢の筋力トレーニングを行うことは、立位動作や歩行動作などの改善を図ることができる適切な対応である。
また、トレーニングを一緒に行う仲間(この場合は夫)を作ることも大切である。

適切である。
Gさんの外出の機会を確保するため、天気の良い日に車いすで外に出るという対応は適切である。

Gさんの身体状態を考慮すると、現時点では電動エアマットの使用を勧めることは、自立を妨げる不適切な対応である。

適切である。
Gさんの生活動作の維持・改善を図るため、一定時間ベッドの端に腰掛けることを勧めることは適切である。

適切である。
医師や栄養士などとGさんの食事内容を検討した上で、カルシウムを多く含む小魚類を多く摂るように勧めることは適切である。



[問題20] 解答3

「家に帰り夫の食事を作りたい」というGさんの希望に対して、最も適切とはいえない。

「家に帰り夫の食事を作りたい」というGさんの希望に対して、最も適切とはいえない。

車いすでの訪問介護員との調理は、「家に帰り夫の食事を作りたい」というGさんの希望につながる適切な対応である。

「家に帰り夫の食事を作りたい」というGさんの希望に対して、最も適切とはいえない。

「家に帰り夫の食事を作りたい」というGさんの希望に対して、最も適切とはいえない。