介護福祉士 第21回 老人・障害者の心理 解説



[問題1] 解答1

正しい。
補償とは、他の人との間に生じる劣等感情を、他の事柄で優位に立ち、優越感情によって補おうとするものを指す。

忍耐力や抑制がきかなくなることにより人に依存することは、反動形成ではなく退行。

新しいことをなるべく避けようとすることは、投射ではなく逃避。

認めることのできない欲求を他人の中にある欲求と考えることは、抑圧ではなく投影。

自分の不安や緊張、葛藤などから逃げ出すことで安定を図ることは、合理化ではなく逃避。



[問題2] 解答2

正しい。

24時間ROは必ずグループで行われるものではなく、認知症高齢者個人と援助者とで行われる場合もある。

正しい。

正しい。
援助者は参加者の言動に対して、受容的・共感的な理解を示し、非審判的な態度で対応することが大切である。

正しい。



[問題3] 解答2

早期から教育訓練を始めないと発達が停滞する、ということはない。

正しい。

先天性視覚障害児が視覚障害であると自覚するのは、他者との交流において他者と自分との違いを認識する時期である。
そのため、2歳などの視覚的記憶が低い時期では、障害の自覚をするのは難しいといえる。

代償機能とは聴覚がより発達し視覚機能の情報収集力を超えていくものではなく、視覚障害により聴覚や嗅覚・触覚などの他の感覚機能が発達する脳の仕組みをいう。

身体を揺するなどの自己刺激的な行動は、外界からの刺激が少ないことによって生じるものと考えられている。



[問題4] 解答4

認知症高齢者が誤ったことをした場合であっても、援助者は受容的・共感的な理解を示し、非審判的な態度で接することが大切。

認知症高齢者に対して、社会活動への参加や交流の機会の増加などの日常生活の活性化を図ることにより、日常生活面で心理的刺激の効果を望むことが可能。

認知症高齢者に対して、疲労面などに配慮しながら知的な作業を行い、認知機能などの維持・改善を図ることが大切。

正しい。
認知症高齢者に限らず、自分でできることは自分で行ってもらうという残存能力の活用は自立支援の基本である。

発症には様々な原因があるため、援助者は各認知症高齢者の原因や症状の違いなどに応じ、その者に適した対応を図ることが大切。



[問題5] 解答5

「感覚運動段階 − 前操作的段階 − 具体的操作段階 − 形式的操作段階」  が正解。

 ピアジェの思考発達段階説は、発達を環境への適応過程としてとらえ、発達段階を論理的思考の発達に焦点を当てて区分を行った理論である。
 なお、その発達段階は、年齢の低い方から@感覚運動段階、A前操作的段階、B具体的操作段階、C形式的操作段階となる。




[問題6] 解答3

A 正しい。
ピア・カウンセリングの場合、各参加者の体験や意見を個人のものとして尊重することが大切であり、ピア・カウンセラーは相手に自分の体験を話す際は、「私の場合は」といった話し方をするように事前に説明を行うことが大切。

B ピア・カウンセラーの役割は参加者を指導することではなく、参加者の発言や参加者同士の話し合いを傾聴し、話し合いの進行の側面的な支援を行うとともに、参加者が抱えている問題を参加者自身が解決できるように支援を行うなどの役割を担っている。

C 正しい。

D 正しい。
ピア・カウンセリングのセッションにおいて、参加者は社会的地位や年齢・性別に関係なく、互いに対等の立場で交互に話し合うことが大切。



[問題7] 解答4

ビネー式知能検査は、子供の知能測定に適している検査である。

横断法は、年齢の異なる者と同じ調査を行い、その結果を比較して発達を検討する方法である。

MMSEとは、簡易に認知機能や記憶力を測定できる検査である。

正しい。
ウェクスラー式知能検査は、言語性と動作性の両面からの問題によって構成され、知的機能の臨床的診断を行うことができる検査である。

柄澤式「老人知能の臨床的判定基準」は観察式の評価法であり、@言動、A態度、B作業遂行能力などを段階づけした評価を行うものである。



[問題8] 解答3

A 正しい。
病名を告知されると本人だけでなく家族も同様に不安にかられるため、本人だけでなく家族に対してもメンタルケアを図ることが大切。

B パーキンソン病の人は、一般的に、病気になったショックによる落ち込みや孤立感、絶望感などを感じることが多い。

C 歩行中に突然歩けないと助けを求めるのは、無動というパーキンソン病の症状のひとつ。

D 正しい。
パーキンソン病では、手の震えや動作の緩慢などの運動症状を生じることから、「自分は役に立たなくなった」と感じて孤立感に陥るなどの心理的影響を受ける危険性がある。