介護福祉士 第19回 老人・障害者の心理 解説



[問題1] 解答1

A 正しい。
人間の心理的能力や傾向が、生まれながらのものか、生後の経験によるものかは常に心理学上の大きな課題だった。
前者は「生得説」、後者は「経験説」と呼ばれ、歴史的には対立する関係にあったものである。

B 正しい。
経験説はワトソンが提唱した。

C 正しい。
輻輳説はシュテルンが提唱した。

D 人間の発達は遺伝と環境の相互の作用によって影響を受けるという説であり、初期環境などが発達過程で決定的な影響を与えるということでなはい。




[問題2] 解答5

A 軽度障害者は「どっちつかずの辛さ」、障害者とは見られたくはないし、健常者でもないという中での心の葛藤をいだいている場合が多い。
障害受容やそれに伴う引きこもりは、病前の性格や障害の原因など色々な因子があり、障害の程度だけではない。

B 機能訓練を開始しても、前進したり、後退を繰り返しながら障害の受容が達成されるのが一般的である。

C 正しい。
ピアカウンセリングとは同じ障害を持つ者同士がお互いの信頼の基に話し合うことによって、それまで周囲の人たちとのコミュニケーションだけでは解決できなかった悩みなどを解消していこうとするカウンセリング方法である。
当然、受傷後、長い期間を経た人であっても有効である。

D 正しい。
比較価値から資産価値への変換等を価値転換と提唱している。




[問題3] 解答4

A QOL(生活の質)は生活環境の改善のみでなく、生き甲斐や満足度の向上をも目指すものであるので介護者の関与も大切な要素である。
介護従事者にとっても重要な理念の一つとしなければならない。

B 正しい。

C 正しい。
安全性と満足度はイコールの関係にはないということ。

D 正しい。
安易に福祉用具を使うことによってそれに依存してしまい、自立を妨げる原因を作ってしまうことがあるので要注意。




[問題4] 解答2

A 正しい。
ロールシャッハテストは性格や人格を知るための検査である。

B バウムテストは、テスト図版(あらかじめ準備された図版と解釈)に対するテストではなく、樹木を自由に描かせて行うテストであるので間違い。

C 正しい。

D 正しい。




[問題5] 解答1

A 正しい。
高齢者も千差万別なので、個々の特性の差に応じた対応が必要。

B 正しい。

C 身体拘束自体が違法。
ましてや認知機能の向上にもつながらない。

D 正しい。
認知症のお年寄りは、自分の好む刺激を取り入れることが困難となっているために、適切な刺激がないと知的機能や感情が急速に衰えていくという特徴がある。
問題文にあるような刺激は認知高齢者には有効な手段だが、刺激が強くなりすぎないように注意が必要である。




[問題6] 解答3

A 正しい。
生活習慣病(慢性疾患等)を持つ人は抑うつ状態を認めることが多いと言われているので、注意が必要である。

B 脳の器質疾患が原因となっていることが多く、幼少期の体験などは関係ない。

C 神経症では環境要素、心理的要素の影響が大きい。

D アルツハイマーと同じように比較的若い老年者に見られる認知症で、原因は不明。




[問題7] 解答1

A 正しい。
動作が一種のコミュニケーションとなり、自分を客観視することで心の安定を図るものである。

B 正しい。

C 援助者が力を加えるなどのアプローチは行わない。
利用者の動きに沿わせるということが大切である。

D 動作法により徐々に身体の硬さを取り除いていくように調整を行っていくなど、実施することは可能である。

<動作法とは>
 動作法の援助は、身体の各部位に余分な緊張があったり、またはうまく力が入らずに姿勢が不安定な対象に対し、適切な体の動かし方や力の入れ方、緊張の弛緩など学ぶ経験を通して、それを主体的に行おうとする本人の「心の動き」にアプローチし、身体だけでなく、集中力・安定感等の心理面での変化もねらいとなる。
 また、「体にふれる−ふれられる」という体験を通し、心地よさや安心感、他者への意識を育てることもねらいとしている。




[問題8] 解答5

A 厳しく叱るよりも、良いところを見つけてほめるほうが効果的である。

B 言語コミュニケーションが困難ということはない。
しかしコミュニケーションが上手にとることができないので、人とのやりとりの経験を増やすなどの訓練が重要となる。
視覚的な援助を利用することは有効である。

C 正しい。

D 注意欠陥多動性障害(ADHD)は、1:注意集中力が乏しい、2:多動で落ち着きがない、3:衝動的で思いついたら行動に移してしまう、この3つが同時にあるときだけ診断されるものである。
重度の知的障害は見られず、知能は正常である。