介護福祉士 第20回 形態別介護技術 解説

[問題1] 解答4

A 統計上も、高齢者に対する家族からの虐待が多いです。

B 正しい。
本人だけでなく介護者(家族)に対しても介護に関する指導をおこなうのが、介護福祉士(介護者)の業務の一つです。

C 正しい。
介護福祉士は自動的に福祉用具専門相談員の有資格者となっているので、家族介護者に対して福祉用具に関する情報提供をすることができます。

D 正しい。
記録については「事実を分かりやすく的確に」することが大切です。



[問題2] 解答4

A 起立性低血圧症は体位変換時、寝た状態から急に起こされると血圧が下がり、ふらつきやめまい、疲労感、動悸、視野のかすみ、眼前暗黒感、時には失神などを伴うことがありますから注意が必要です。
ギャッジベッドの上部を高くするには、徐々にゆっくりしなければいけません。

B 正しい。
いつでも寝間着では生活のリズムを作ることができません。
昼間は昼間の普段着に着替え、生活にメリハリをつけます。

C 正しい。

D 正しい。



[問題3] 解答3

A 関節リウマチの自覚症状としては、手指の関節の腫れと痛みがあり、朝方より手指の腫れぼったい感じとこわばりを感じます。
これを朝のこわばりといい、数時間続きます。

B 正しい。
麻痺側に介助者がつくことが大切です。

C 正しい。
頚髄損傷では自律神経が正常に機能できない為、熱くても汗が出ないので体に熱がこもり、うつ熱状態になったりします。
この時には、室温調整をしなければなりません。

D 正しい。
この病気は、手足・のど・舌の筋肉や呼吸に必要な筋肉が、だんだんやせて力がなくなっていく病気です。
体を動かすことが困難になってきますから、褥瘡ができやすくなります。
体位変換が必要になります。



[問題4] 解答2

A 正しい。
柵に手をかけて、起き上がりの時の補助具として使います。

B 交互に持ち上げるというものではありません。

C 正しい。

D 1本の脚と体重を支える握り、前腕を支える腕支えを備えた杖で、前腕で力を受けることができる場合に用います。
握力や上腕の力が弱い人に適しています。



[問題5] 解答2

正しい。
呼吸筋を少しでも長く維持するために、呼吸筋を鍛える訓練は大事です。

いすからの立ち上がりでは、息を吐いた方が身体の緊張が取れ、動きやすくなります。

正しい。
痰の色は、普通は白か透明です。
黄色や緑、灰色や赤い痰は感染のしるしかもしれませんから、医療関係者に連絡することは必要です。

洗髪時でも酸素の供給は大事です。
指示された酸素流量が確実に投与されているか・酸素チューブの接続のはずれ、ゆるみ、屈曲リークがないか・チューブ内に水滴等が流れ込み酸素の流れを妨げていないか・カニューレの固定部位の皮膚の損傷がないかなどの確認が大事です。



[問題6] 解答4

A フランジ(台紙)を交換することは、医療行為になります。
医師の指示をうけて看護師がおこなうことになります。

B 小腸ストマの場合は排便コントロールが難しいので、入浴介助時はパウチを装着しておくことです。

C 正しい。
有形または柔便なので、定時排便が得られやすいです。

D 正しい。
ウォーキングなどの適度の運動は大腸の働きを活発にし、便通を促進します。



[問題7] 解答1

A 正しい。
介護者は左肘か左肩を視覚障害者に持ってもらい、半歩前を歩くようにしながら安全な誘導をします。

B 正しい。
求心性視野狭窄、これは視野の周辺から均等に視野が欠けていく状態のことをいいます。
階段の段差などは認識しにくいので、注意が必要です。

C 正しい。
拡大読書器(CCTV/Closed circuit TV)は、TV画面に文字等を大きく映し出す視覚障害者の福祉用具です。

D T字杖は、歩行時における身体の支持やバランスを補助するために用いられるもの。
「二歩先の足元を検索・確認するためのものである」というのは、白杖の説明です。



[問題8] 解答3

A 正しい。
失語症の中で最も多いのがこのタイプです。
聞いて読むことはできますが、話したり書いたりすることができません。
「はい」「いいえ」で答えられる質問をすることが大事です。

B そもそも手話というのは、聴覚障害者の人たちがお互いどうしの、また、聞こえる人との心のつながりを持つためのコミュニケーション手段です。

C 正しい。
麻痺性構音障害とは、ちょうど手足が麻痺したのと同じ様に舌、口唇、喉、等に麻痺や筋力低下がある為、上手くしゃべれない状態をいいます。
スムーズにお話ができないので、五十音表を使う場合もあります。

D 正しい。
舌、口唇、喉、等に麻痺や筋力低下がある為に上手に話が出来ない状態ですから、ゆっくりと文節を区切って話すように促すことは適切なことです。



[問題9] 解答1

A 正しい。

B 正しい。
「読話」とは、話し手の口形の変化を読み取って、話の内容を読み取る方法です。

C 正しい。
「空書」とは、実際に筆や紙を使わず、自分の腕を筆に見立てて文字などを書くことです。
相手から少し離れて、わかりやすく楷書ではっきり書くことが大事になります。

D 手話と指文字はどちらも別な訓練が必要です。



[問題10] 解答2

A 正しい。
認知症高齢者は記憶力、判断力は低下しますが、感情やプライドは以前と変わりありません。

B 正しい。
徘徊には必ず理由があります。
その原因を見極めて対処することが介護者に求められます。

C 失敗をしたときに厳しく注意するなど、とんでもない行為です。
混乱に拍車をかけるようなものです。
注意せずに受け入れる態度の方が大切です。

D 「現実見当識訓練」は、時間、場所、人物に対する見当識障害を有する中等度から重度の脳損傷老人に用いられたもので、アメリカの退役軍人管理局病院で開始されたものが普及したものです。
これは氏名、場所、曜日、時間などの情報を本人に繰り返し与えるですが、考えてみたら、基本情報を伝達することは、日常的に介護の現場では意識せずとも行っている方法のような気もします。
皮膚の異常や腹痛などが認められた場合には、医療関係者に連絡すること。



[問題11] 解答3

A 向精神薬の副作用としては、一般的に口が渇く、自律神経症状 起立性低血圧、頻脈、排尿障害などが多いです。

B 正しい。
疲れたときには休む、特に精神障害の方はストレスが大敵です。

C 正しい。

D 正しい。
薬物療法や精神療法は、従来から行っている方法です。
生活療法というのは、日常生活の指導に重点を置くことで、患者の社会性を高めて社会復帰することを目標とするものです。



[問題12] 解答3

A 正しい。
廃用性症候群が進行するということですが、廃用性による機能低下により寝たきり状態にしたり、心の機能までも衰えさせることに繋がります。

B 動作が緩慢な理由は、食欲がない以外にもいろいろなことが考えられます。
使わないことによる機能の衰えは、筋肉・骨・関節・皮膚・心臓・呼吸器・消化器・尿路など身体の多くの部分に生じます。
筋肉では筋萎縮や筋力低下を、関節では関節拘縮を起こしますから、それらが動きの緩慢につながっている可能性もあります。

C 廃用症候群の進行による認知症も影響している可能性もあるので、一概に妻が世話をやいているからということはいえません。

D 正しい。
問題文のなかに「Jさんは退職後、写真撮影を趣味としていた」とあるように、Jさんの好きなことに再度興味を持ってもらうことで、生活に活力が生まれてくる可能性があります。



[問題13] 解答5

介護者が叱責した場合、さらに入浴を拒むなどの悪影響を及ぼす危険性があります。
Jさんとコミュニケーションを図り、入浴を嫌がる理由を理解するとともに、Jさんのペースに合わせて入浴を促すことが適切な対応です。

長風呂は体力の消耗や脱水につながります。

正しい。
洗い残しがあれば、当然そこを洗う介助をすることが大切です。

残存機能を活用するのが原則です。



[問題14] 解答1

正しい。

在宅生活継続を前提としているので、認知症対応型共同生活介護は最適なサービスとはいえません。

認知症状が進んでいると思われるJさんには、最適なサービスとはいえません。

Jさんに夜間定期的な巡回訪問当を行う必要性は感じられません。

在宅生活継続を前提としているので、最適なサービスとはいえません。

<参 照>
 指定地域密着型サービスに該当する認知症対応型通所介護の事業は、要介護状態となった
 場合においても、その認知症である利用者が可能な限りその居宅において、その有する能力
 に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、必要な日常生活上の世話及び機能訓練を
 行うことにより、利用者の社会的孤立感の解消及び心身の機能の維持並びに利用者の家族
 の身体的及び精神的負担の軽減を図るものでなければならない。
 (指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準第41条)



[問題15] 解答2

A 正しい。
糖尿病の合併症として糖尿病性壊疽があります。
残っている左足部、傷口など要注意です。

B 閉じこもりやストレスからではなく、糖尿病の症状から来ていると考えた方がよいでしょう。
糖尿病のその他の症状としては、めまい、だるさ、強い空腹感、さらにひどくなると腹痛と吐き気、痙攣、意識がなくなることもあります。

C 正しい。
手足を切断したのにまだ残存しているように感じることを、幻肢といいます。
幻視には痛みやしびれ、かゆみを伴いますが、これを幻肢痛といいます。

D 正しい。
糖尿病の三大合併症、「糖尿病網膜症」「糖尿病腎症」「糖尿病神経障害」。
視力低下は「糖尿病性網膜症」に起因するものです。



[問題16] 解答2

A 正しい。
事例文にもあるようにKさんは糖尿病ですから、食事の内容には注意が必要です。
糖尿病食の原則は、「腹七、八分目」といわれる適正な量で、栄養のバランスのよい食事です。

B 右足が不自由なので、基本的には健康側の手に四脚杖を持った方がよいです。

C 正しい。

D 正しい。
車いすは原則健側に置きます。



[問題17] 解答4

閉じこもりがちのKさんに「食事以外はベッドにいてください」と言ったら、ますます閉じこもりになってしまいます。

正しい。
義足歩行には訓練が必要です。
起立、移乗、排泄、入浴は要介助、義足歩行は5m程度ならば四脚杖と介助で歩けるということなので、訓練回数を増やすことで自立度がぐっと向上します。

正しい。
外に出る機会を持ってもらうことは、よい気分転換にもなります。

正しい。
「入院している妻のことを話して涙ぐむことが多くなった。」とありますから、妻と面会が出来るように準備することは必要なことです。



[問題18] 解答3

A 正しい。
うつ病の日内変動的は、多くの人が朝起きたときに最もうつ状態が強く、その後時間が経つにつれて薄れていくという傾向があります。
その状態に応じた関わり合いが必要となります。

B うつ病の人との関わりでの原則は、「励まさない」ということです。
本人なりに精一杯頑張っているのに「頑張れ」では、なお気持ちが落ち込んでしまいます。

C 正しい。
問題文にあるように、「食事量や水分摂取量を増やすようにする」などして対処することが大事です。

D うつ病の場合は、「生きていても仕方がない」と言わなくなったからといって、自殺の危険性がなくなったわけではありません。



[問題19] 解答4

A うつ病の方に励ましの言葉は禁物です。

B 正しい。
うつ病の方には、丁寧に話を聞いて受け入れてあげる態度が必要です。
そのことにより不安が軽くなります。

C 正しい。
寝付きが悪いということは、入眠障害の可能性があります。
症状に応じた薬を処方してもらうなどの処置が必要となってきます。

D 正しい。
夜間は寝つきが悪く、睡眠不足が続いているということなので、日中睡眠の必要性も検討します。



[問題20] 解答2

A 正しい。
向精神病薬を飲んだり飲まなかったりでは、その薬の効力を失わせることになります。
服薬を中断しないような服薬管理が大事です。

B 正しい。
食欲不振や便秘については様々な原因が考えられるので、医療スタッフとの連携は大事になってきます。

C 面会を控える方が、別離の不安を増幅させてしまいます。

D 正しい。
事例文にも「最近では食事もベッドで摂ることが多くなってきた」とあるように、日常活動が消極的な傾向が見られます。
散歩を勧めることについて検討を行うことは適切です。