介護福祉士 第20回 介護技術 解説


[問題1] 解答1

A 正しい。
横手すりは、車いすのアームレストの高さに合わせるのが一番いいです。

B 正しい。

C 正しい。

D 手すりの先端部は湾曲していた方が、つかまった時に安定しやすいです。




[問題2] 解答3

A 左側が健側になるとしたら、利用者が残存能力を発揮できる左側に位置しましょう。

B 正しい。
麻痺側の右手、できれば右足も左足の上にのせ端座位にしやすい体勢をとりましょう。

C 正しい。

D 両足が床に着く位置でないと、不安定で危険です。




[問題3] 解答1

A 正しい。
覚醒、つまりちゃんと目覚めていることを確認することが大事です。
うつろな状態だと誤嚥する可能性があります。

B 正しい。
誤嚥しない力をつけるには、唇や舌・頬の動きの力をつけておくことが大切です。

C 頸部とは口、顎、喉を総称していいますね。
この部分は、生きていく上で大変重要な機能をもっています。
前屈状態のほうが気管に食べ物が入りにくくなり、誤嚥を防ぎます。

D 正しい。
とろみをつけたりソフト食を用いるのは、咽頭部へ流れ込むスピードを遅くし、飲み込みやすくすることができるか
らです。




[問題4] 解答2

A 正しい。
施設によってはなかなか難しいところもあるようですが、食事は形や色でも楽しむものです。
最初から刻まれたものをも見ては食欲もなくなります。
原則的に、刻む前の食べ物を見てもらうことがいいです。

B 正しい。
食事が終わったあとも義歯や口腔内を清潔にする必要がありますから、確認は大事です。

C 麻痺側に食べ物を入れると飲み込むことができず、誤嚥を起こしかねません。
麻痺側ではなく、麻痺していない方にスプーンを入れます。

D 正しい。




[問題5] 解答3

A 男性用尿器を使用する際は、比較的、側臥位の方が排尿しやすいようです。

B 正しい。
肌の温度と差がない方が、気持ちよく排泄できます。

C 正しい。
便座が少し高いほうが、膝に負担が少なく楽になります。

D 正しい。
旧式のポータブルトイレはこの蹴こみがないのが多かったのですが、この蹴こみがあると立つとき楽です。




[問題6] 解答3

A 正しい。
食後のトイレ誘導が何故必要なのかというと、いい排便周期を作って便秘等をしないようにするためです。

B 便秘予防の献立を考える上でのポイントは、大腸の運動を活発にする繊維質や脂肪の摂取をもとにして、食品
を選ぶことにあります。
消化吸収が多いと腸を素通りしてしまいますから便秘予防にはつながりません。

C 下痢をすることで脱水をまねいてしまいます。
水分摂取を控えてはいけません。

D 正しい。




[問題7] 解答1

A 正しい。
不眠にいたる身体的状況、例えば筋肉の緊張・肩こり ・頭痛・背中や腰の痛みの把握、または、 部屋の温度や
明るさといったような環境状況の把握は当然必要です。

B 正しい。
睡眠前に行なわれる入浴や足浴は、入眠に効果があります。

C 不眠を訴える人には軽い食事は効果的です。

D 正しい。
それぞれに睡眠の習慣がありますから、それを尊重することは大切です。




[問題8] 解答1

A 正しい。
健康側の手が使えるのですから、残存機能は十分活用していいですね。

B 正しい。

C 正しい。
前開きで、しかもマジックテープ式だとボタンもありませんから、健側の手で十分着衣できます。

D ひもで縛る行為は、片麻痺の方が行うのは少し難しい動作になります。




[問題9] 解答4

A ぬるめのお湯にはいると、体を休ませる神経〔副交感神経〕に働きかけて、血管を開かせ血行をよくし、心身とも
にリラックスできる状態となります。

B 正しい。
浮力が働き体が軽くなり、体位が不安定となります。

C 正しい。
心臓の位置よりも水面が上だと、水圧が心臓にかかってきて胸が締め付けられる感じになります。

D 正しい。
食後からそれほど経っていないのに入浴すると、消化器系はまだ活動中のことが多く,消化器の血液を皮膚に集め
てしまうので消化機能を阻害してしまいます。




[問題10] 解答5

A 衣服の上から熱湯をかぶったら、そのまま服の上から水をかけて冷やし、衣服ははさみなどで切ってそっと脱が
せます。
やけどをしたところは、無理にはがさないようにします。

B 消毒薬は細胞に毒として働き、細菌を殺します。
それ以上に傷口を治そうとする細胞をも殺してしまうことになりますから、緊急時は傷口を洗う程度にして病院で手
当をうけるのが一番です。

C 正しい。
手首が腫れて骨折の疑いがあるときは、副え木で固定が原則です。

D 正しい。
上腹部圧迫[ハイムリック]法 とは、腹部を圧迫して胸腔内圧を高め、異物を排出させる方法です。
この方法は成人には推奨されますが、お腹の臓器を傷める危険性があるため、乳幼児や妊婦に行ってはいけません。




[問題11] 解答3

A 正しい。
指の先を保護しますし、指の力が増強するので細かいものがつかみやすくなります。

B 正しい。
爪切りの際、皮膚まで切ってしまうことがあるので、爪切り前に爪と皮膚を分ける角質除去が必要だからです。

C この切り方は「巻き爪」の原因になります。

D 正しい。
深爪は糖尿病神経障害に伴う合併症を重症にしかねませんから、注意が必要です。




[問題12] 解答4

心不全が進むと、横になって休むことが苦しくなります。
肺のうっ血を少しでも減少させるためには. 体を起こす状態(起座呼吸)がよいです。

正しい。
「ここ数日間、下肢にむくみが見られ…」とあるので、飲料水の観察・記録が必要です。

むくみ(浮腫)がみられる時は塩分を控えた方がよいです。

食事動作が不安定になったからといって全介助すると、残存する機能まで失いかねないですね。

正しい。
問題文に「おむつの交換時、殿部に発赤を発見した。」とありますが、褥瘡の可能性があるので体位変換をして褥瘡
を予防します。




[問題13] 解答2

正しい。
元の同室者は「同郷ということで親しくしていた」という記述があります。
個室に移ったということで、心細いGさんに対して、訪問を希望するかどうかをたずねることは適切な対応です。

このようなことは介護職員が単独で決めることではなく、Gさんの了解を求めることが大切です。

正しい。
介護職員が他職種との連携をはかるのは、介護福祉士の義務です。

家族にGさんの現状を伝えなければ、家族がどのように対応して良いかもわからなくなりますから、誤りです。




[問題14] 解答1

A 正しい。

B 正しい。
本人や家族の意向の確認をしっかりととり、署名してもらうことは、大事なことです。

C 正しい。
介護員がかってにケアプランを作成することはできません。
利用者の意見を最大限尊重するケアが大切です。

D 終末期である場合、利用者は落胆、絶望感などを感じることが多いので、精神的ケアが大切です。




[問題15] 解答1

正しい。
Hさんの好みに配慮し普段着を選択していただくことは、Hさんの自主性の尊重をすることになりますから良いことで
す。

正しい。
車いす使用で移動が可能ですから、洗面所まで行き歯磨きや洗面を介助することは残存機能を十分活用することに
なります。

要介護3とは 重度の介護を必要とするかたが対象となります。
食事・衣類の着脱のいずれも介護者の一部に介助を必要としますし、排せつには全面介助が必要です。
問題文には食事はベッドで、しかも寝たままの状態で食事…とありますが、寝たままの状態での食事介助は全面介
助となってしまいます。
要介護3は食事については一部に介助を必要とする状態であるとしていることから、残存機能を活用した食事介助と
しなければなりません。

正しい。
認知の症状が進んでいるということなので、コミュニケーションで確認出来ないこともあります。
薬の服用後、薬が残っていないか口腔内を確認することは重要です。





[問題16] 解答4

A Hさんの排泄習慣を把握するには排便・排尿の状況観察だけでなく、尿便意があるのか、羞恥心や介助抵抗がある
かなど全体的にHさんの状況を観察する必要があります。
また排泄の観察記録は最低1週間は必要です。

B 正しい。
食後に排泄する習慣は大事ですね。
そのタイミングを利用しておむつをはずす訓練を試みることはいいことです。

C 正しい。
女性の場合は尿路感染予防のため、尿道から肛門に向かって拭くというのが原則です。

D 正しい。
「長女は、近頃、体調が悪く、午前中は部屋から出ることはほとんどない」と問題文にもあるように、長女の負担のこ
とを考慮すると、夜間訪問介護も検討してみてよいと思われます。




[問題17] 解答1

正しい。
「Hさんは、若いころは読書好きであった」…とありますから、本人の趣向をいかして生活の活性化を図るための試
みとして良いです。

正しい。
一方的に献立を決めるのではなく、Hさんの好みを尊重しながら一緒に食材を決めていくなどで日常性生活をする
上で張りがでてきます。

正しい。
いろんな方法で話題つくりをします。
この写真を用いながら話題を膨らませていくことも生活の活性化に結びつきます。

問題文に「認知症の症状が出現し、家族との意思の疎通が困難になってきている。」とあるように電話がきたときの
対応をHさんにお願いすることは無理があるようです。




[問題18] 解答2

A 正しい。

B 正しい。
摂取量にむらがあるとは、食事量にバラツキがあるということです。
いろんな原因が考えられますから原因をさぐることは大切です。

C 口の中は定期的に食物が通過するので、細菌が増えやすい環境になっています。
Yさんは口の中や義歯を自分で清掃することが難しいので、口腔衛生に気をつけることは大事です。

D 正しい。
高齢者は、脱水をおこしやすいので一日最低でも1000〜1500ml程度の水分補給が必要です。
ですから一日の水分摂取量を把握することは重要です。




[問題19] 解答1

A 正しい。
現在、歩行が可能な状態で職員のトイレ誘導で排泄が行われている状態であり、継続が好ましいです。

B 正しい。
尿失禁がみられ、しかもリハビリパンツを脱ぐのに抵抗がある状態なので、不潔になり細菌が繁殖しやすい状況
です。
膀胱炎などの尿路感染を引き起こさないように観察することが大事です。

C 正しい。
高齢者の尿失禁についてはさまざまなタイプがあるので、医学的な見極めも大切になってきます。
そのためには医療職と連携が大事になります。

D 一方的に「尿がでない」と判断するのは早計です。
認知症があるということですから、判断力が低下している可能性もあります。
抵抗する様々な理由を考えるのが先決です。




[問題20] 解答2

A 正しい。
長女はただ一人の家族でありYさんの状況をよく知っている存在です。
Yさんに対する生活や介護状況を聞くことで長女への必要な支援も見えてくます。

B 家族への支援も介護福祉士の仕事の一つです。
家族が希望を持てるように支援しなければならないのに、「あきらめましょう」と言う言葉はあり得ません。

C 正しい。
施設での介護に対していろんな不安を長女は持っているにちがいありません。
不安を解消してあげるのも支援の一つ・・このような取り組みは良いことです。

D 正しい。
レクリエーションに共に参加することで認知症のYさんに対する理解などにも繋がります。

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