介護福祉士 第19回 精神保健 解説



[問題1] 解答5

A 神経症は主に心理的原因によって生じる心身の機能障害の総称であり、精神病とは異なる。
つまり、神経症は器質的な病気によるものではなく、健康な人が普段から体験するような心や身体に対する感覚や感情が、行き過ぎた状態とも言える。
強い不安や恐怖と共に、動悸、頻脈、胸痛、吐き気、発汗、めまい、呼吸難感など種々の自律神経症状、震え、筋肉の緊張、頭のふらつきなど多彩な身体症状を伴うが、幻聴を引き起こすことはない。

B フラッシュバックは強いトラウマ体験(心的外傷)をうけた場合に、後になってその出来事が鮮明に思い出されたり、夢にみたりする現象。
一般的に、認知症や知的障害等で理解力に障害がある場合には、フラッシュバックは起こりにくいとされている。

C 正しい。
アルコール依存症での人格障害は重要項目。
人格レベルが低下すると、もはや自発的な治療意欲さえ失われることが少なくない。

D 正しい。
躁病の特徴としては、感情や気分は壮快で高揚し、行動が活発で思考過程が早いというのがある。
このほかに、誤った観念が次から次へとわきあがってまとまりがつかなくなるという観念奔逸(かんねんほんいつ)という思考形式面の障害がおこる。




[問題2] 解答2

A 正しい。
てんかんは服薬によってコントロールできる病気。
誘因なく起こることもあるので、きちんと継続して服薬することは重要。

B 精神病には内因性精神病と外因性精神病があるが、外因性精神病はさらに脳そのものに原因がある「脳器質性精神障害」と脳以外の身体に原因がある「症状性精神病」に分けられる。

C 正しい。

D 正しい。
老年期うつの特徴としてはそわそわして落ち着かない焦燥感、気分がふさいだり、おっくうになったり、不安になったりいらいらする傾向が見られる。




[問題3] 解答1

A 正しい。

B 正しい。
緩やかに発症、進行することがアルツハイマー病の特徴である。

C アルツハイマー病の早期では、人格は保たれている。

D 正しい。
初期では車の運転やお金の計算はできるのに、少し前のことを忘れるという症状が出る。




[問題4] 解答1

A 正しい。
高血圧や糖尿病がもとで脳の動脈硬化が進み、脳梗塞や脳出血が起こると、脳細胞に十分な血液が行き渡らず、部分的に機能が失われる結果起きるのが脳血管性認知症。

B 正しい。

C 認知症の一般症状でも見られるが、感情失禁(涙もろくなる)、意欲の低下、言語障害、歩行障害なども
見られる。

D 正しい。
多発性脳梗塞とは、脳の毛細管に複数の血栓による梗塞が起きて血液が脳の神経細胞に届かない状態をいう。
これが脳血管性認知症の原因であることが多い。