介護福祉士 第21回 家政学概論 解説



[問題1] 解答5

糖尿病予防の食事では、糖類の摂取量を増やすのではなく、糖分や塩分の摂取を控えるとともに栄養バランスのよい食事を摂取することが大切。

高血圧症予防の食事では、カリウムの少ない食品を摂取するのではなく、ナトリウムの少ない食品を摂取することが大切。

骨粗しょう症予防の食事では、リンを多く含む食品を摂取するのではなく、カルシウムやビタミンC・ビタミンDなどを多く含む食品を摂取することが大切。

虚血性心疾患予防の食事では、動物性脂肪を多く含む食品の摂取を控えることが大切。

正しい。



[問題2] 解答2

食物繊維は、「人の消化酵素では加水分解されない食品中の難消化性成分の総体」と定義されている。

正しい。

不溶性食物繊維には大腸の働きを促進する作用があるため、水溶性食物繊維よりも排便促進に効果的である。

食物繊維の目標摂取量は成人1日あたり概ね15〜20gであり、10gでは少ない。

食物繊維の過剰摂取による下痢が起こった場合、カルシウムや微量元素の体外排出に影響がでる。



[問題3] 解答1

正しい。
加齢に伴い口腔内の唾液分泌量が低下するので、カステラなどの水分を吸収しやすいものは飲み込みにくくなる。
調理形態を工夫することが大切である。

高齢者は腸管の運動機能が低下する傾向にあるものの、流動食を基本とする必要はない。

酸味の強い料理は刺激が強くむせやすいため、酢を用いる料理を調理する際には、酢の量に注意する必要がある。

全がゆを作るには、米に5倍程度の量の水を加え沸騰するまで強火にかけて、沸騰後にとろ火で30分程度加熱する。

汁物はでんぷんなどでとろみをつけることで、むせにくくなる。



[問題4] 解答5

ノロウイルスによる食中毒は、カキなどの貝類を経口摂取することにより生じる一次感染などがあり、人間の腸内によって増殖がみられる。

原因食品は、カキなどの2枚貝である。

二次感染として、感染の疑いがある者の下痢や嘔吐による排泄物や、その排泄物が乾燥したことによって生じる塵埃を介して経口感染する危険性がある。

ノロウイルスは他の細菌に比べて比較的強いものの、85℃以上の熱で1分以上熱することで死滅させることが可能。

正しい。
カキなど感染源となる貝類は、夏場より冬場に食することが多いので、発症も冬場に多く見られる。



[問題5] 解答4

高齢者の衣服を選定する際には、高齢者の嗜好に合わせた色柄を、高齢者自身で選んでもらえるように支援することが大切。

既製服のズボン丈や袖丈は高齢者の特徴に合わせているわけではないため、身体的特徴に合わせて裾直しなどを行うことが大切。

高齢者の衣服は着脱行為が容易になるよう、袖や裾などに一定のゆとりがあるものを選択することが大切。

正しい。

高齢者に対しては硬めの素材ではなく、木綿などの肌に優しい素材を選定することが大切。



[問題6] 解答3

A 正しい。
おむつを使用しなければならないことに抵抗を感じている利用者に対しては、心理的なケアや尊厳の保持に努めることが大切。

B 高分子吸水ポリマーを用いた紙おむつであっても、排泄後におむつ交換を行わず同じおむつを使用し続ければ、おむつかぶれを生じる危険性が高まる。

C 吸収量の多い紙おむつの使用目的は尿漏れの防止やおむつかぶれの軽減を図るなどであり、排泄後におむつ交換を行うことが大切であるため、介護者の負担を軽減する目的ではない。

D 正しい。



[問題7] 解答2

A 正しい。
室内の部屋ごとに温度差が大きいと高齢者の心臓に負担がかかるため、寝室とトイレなどの温度差が5℃以下になるように調節することが大切。

B 視力の低下に配慮して照度基準をやや暗い照明にすると余計に周囲の状況が判断できなくなるため、十分な明るさを確保するとともに、部屋や廊下などの明るさに差が生じないように調節することが大切。

C 高齢者は5mm程度の段差でもつまづく危険性があるため、段差の高低に関係なく、段差の解消を図ることが大切。

D 正しい。
一般的に冷気は床面に溜まるため、靴下を履いたりひざ掛けを使用するなど、足元が冷えないように配慮することが大切。



[問題8] 解答3

A 平成18年国民生活基礎調査による「世帯構造及び世帯類型」の状況をみると、平成18年の単独世帯の構成割合は25.3%となっている。
なお、平成19年国民生活基礎調査による「世帯構造及び世帯類型」の状況をみると、平成19年の単独世帯の構成割合は25.0%。

B 正しい。
平成18年国民生活基礎調査による「年次別の所得の状況」をみると、平成17年の高齢者世帯の1世帯当たり平均所得金額は約300万円(301万9000円)となっている。
なお、平成19年国民生活基礎調査による「年次別の所得の状況」をみると、平成18年の高齢者世帯の1世帯当たり平均所得金額は306万3000円。

C 正しい。
平成18年国民生活基礎調査による「所得の種類別の状況」をみると、平成18年の高齢者世帯の所得のうち、「公的年金・恩給」が全体の約70%(70.2%)となっている。
なお、平成19年国民生活基礎調査では、平成19年の高齢者世帯の所得のうち、「公的年金・恩給」が全体の68.4%。

D 平成18年国民生活基礎調査による「生活意識の状況」をみると、平成18年における高齢者世帯のうち、暮らしが苦しい(「大変苦しい」と「やや苦しい」)と答えたのは55.9%となっており、40%以上を示している。
なお、平成19年国民生活基礎調査では、平成19年における高齢者世帯のうち、暮らしが苦しいと答えたのは52.2%となっている。