健康・福祉の情報発信「いきいき倶楽部」


1)はじめに

一般的に、食中毒というと飲食店や旅館などでの食事が原因と思われがちですが、毎日の家庭での食事でも発生していますし、発生する危険性はたくさんあります。
厚生労働省が提唱している食中毒予防の6つのポイントを見ながら、毎日の調理をチェックしてみましょう。

                     


2)ポイント1.食品の購入

◆肉、魚、野菜などの生鮮食品は、新鮮な物を購入しましょう。
◆表示のある食品は、消費期限などを確認し、購入しましょう。
◆購入した食品は、肉汁や魚などの水分がもれないように、ビニール袋などにそれぞれ分けて
 包み、持ち帰りましょう。
◆特に、生鮮食品などのように冷蔵や冷凍などの温度管理が必要な食品の購入は買い物の最後
 にし、購入したら寄り道せず、まっすぐ持ち帰るようにしましょう。



3)ポイント2.家庭での保存

冷蔵や冷凍の必要な食品は、持ち帰ったらすぐに冷蔵庫や冷凍庫に入れましょう。
◆冷蔵庫や冷凍庫の詰めすぎに注意しましょう。めやすは、7割程度です。
冷蔵庫は10℃以下、冷凍庫は-15℃以下に維持することがめやすです。
 温度計を使って温度を計ると、より庫内温度の管理が正確になります。
 細菌の多くは10℃で増殖がゆっくりとなり、-15℃では増殖が停止します。
 しかし、細菌が死ぬわけではありませんので、早めに使いきるようにしましょう。
◆肉や魚などはビニール袋や容器に入れ、冷蔵庫の中の他の食品に肉汁などがかからないように
 しましょう
◆肉、魚、卵などを取り扱う時は、取り扱う前と後に必ず手指を洗いましょう。
 せっけんを使い洗った後、流水で十分に洗い流すことが大切です。
 簡単なことですが、細菌汚染を防ぐ良い方法です。
◆食品を流し台の下に保存する場合は、水漏れなどに注意しましょう。
 また、直接床に置いたりしてはいけません。



4)ポイント3.下準備

◆台所のゴミは捨ててありますか? タオルやふきんは清潔なものと交換していますか?
 せっけんは用意してありますか? 調理台の上は片付けていますか?
 もう一度、チェックをしましょう。
◆井戸水を使用している家庭では、水質に十分注意してください。
◆手を洗いましょう。
◆生の肉、魚、卵を取り扱った後には、また、手を洗いましょう。
 途中で動物に触ったり、トイレに行ったり、おむつを交換したり、鼻をかんだりした後の
 手洗いも大切です。
◆肉や魚などの汁が、果物やサラダなど生で食べる物や、調理の済んだ食品にかからないように
 しましょう。
◆生の肉や魚を切った後、洗っていない包丁やまな板で、果物や野菜など生で食べる食品や
 調理の終わった食品を切ることはやめましょう。
 洗ってから熱湯をかけた後、使うことが大切です。
 包丁やまな板は、肉用、魚用、野菜用と別々にそろえて使い分けると、さらに安全です。
◆ラップしてある野菜やカット野菜もよく洗いましょう。
◆冷凍食品など凍結している食品を、調理台に放置したまま解凍するのはやめましょう。
 室温で解凍すると食中毒菌が増える場合があるので、解凍は冷蔵庫内や電子レンジで行いま
 しょう。
 また、水を使って解凍する場合には、気密性の容器に入れ、流水を使います。
料理に使う分だけ解凍し、解凍が終わったらすぐ調理しましょう。
 一度解凍した食品を、やっぱり使わないからと冷凍や解凍を繰り返すのは危険です。
 冷凍や解凍を繰り返すと、食中毒菌が増殖する場合もあります。
◆包丁、食器、まな板、ふきん、たわし、スポンジなどは、使った後すぐに洗剤と流水で良く
 洗い
ましょう。
 ふきんの汚れがひどい時には、清潔なものと交換しましょう。
 漂白剤に1晩つけ込むと消毒効果があります
 包丁、食器、まな板などは、洗った後、熱湯をかけると消毒効果があります。
 たわしやスポンジは、煮沸すればなお確実です。

                 

5)ポイント4.調理

◆調理を始める前にもう一度、台所を見渡してみましょう。下準備で台所が汚れていませんか?
 タオルやふきんは乾いて清潔なものと交換して、手を洗いましょう。
◆加熱して調理する食品は、十分に加熱しましょう。
 加熱を十分に行うことで、食中毒菌がいたとしても殺すことができます。
 めやすは、中心部の温度が75℃で1分間以上加熱することです。
◆料理を途中でやめてそのまま室温に放置すると、細菌が食品に付いたり、増えたりします。
 途中でやめるような時は、冷蔵庫に入れましょう
 再び調理をするときは、十分に加熱しましょう。
◆電子レンジを使う場合は、電子レンジ用の容器やふたを使い、調理時間に気を付けましょう。
  熱の伝わりにくい物は、時々かき混ぜることも必要です。



6)ポイント5.食事

◆食卓に付く前に手を洗いましょう
◆清潔な手で、清潔な器具を使い、清潔な食器に盛りつけましょう。
◆温かく食べる料理は常に温かく、冷やして食べる料理は常に冷たくしておきましょう。
 めやすは、温かい料理は65℃以上、冷やして食べる料理は10℃以下です。
◆調理前の食品や調理後の食品は、室温に長く放置してはいけません。
 例えば、O157は室温でも15~20分で2倍に増えます。



7)ポイント6.残った食品

◆残った食品を扱う前にも手を洗いましょう。
 残った食品はきれいな器具、皿を使って保存しましょう。
◆残った食品は、早く冷えるように浅い容器に小分けして保存しましょう。
◆時間が経ち過ぎたら、思い切って捨てましょう。
◆残った食品を温め直す時も十分に加熱しましょう。めやすは75℃以上です。
 味噌汁やスープなどは、沸騰するまで加熱しましょう。
◆ちょっとでも怪しいと思ったら食べずに捨て、口に入れるのはやめましょう。


食中毒予防の三原則は、食中毒菌を【付けない、増やさない、殺す】です。
『6つのポイント』は、この三原則から成っています。
これらのポイントをきちんと行い、家庭から食中毒をなくしましょう。
食中毒は、簡単な予防方法をきちんと守れば予防できます。

                 



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