介護保険で使える施設サービス

 1)施設サービスとは 

   介護保険制度では、利用者は自ら主体的に事業者を選択・決定し、契約をしてから様々
   なサービスを利用します。
   
介護保険で『要介護(1~5)』に認定された方は、施設介護サービスを利用することが
   できます。
   『要支援』認定の方は利用することができません。
   施設介護サービスは次の3種類に分かれ、この中から入所する施設を選びます。
   それぞれの施設の目的により、対象や入所期間に違いがあります。
   入所の申し込みは利用者が直接行い、施設(事業者)と契約を結びます。
   不安があればケアマネージャーなどに相談して、十分な説明を受け、納得して契約を
   結びましょう。
   

   
介護老人福祉施設
(特別養護老人ホーム)
 

 生活介護が中心の施設です。
 寝たきりや認知症などで常に介護が必要で、自宅
 では介護ができない方が対象の施設です。
 入所期間の制限もなく、できる限り本人のペースに
 合わせた介護を提供し、ゆったりと過ごしていただく
 ような配慮をしています。
 食事、入浴、排せつなど日常生活の介護や健康管
 理が受けられます。 

介護老人保健施設
(老人保健施設)
 

 介護やリハビリが中心の施設です。
 病状が安定し、リハビリに重点をおいた介護が必要
 な方が対象の施設です。
 入所期間は6~12ヶ月くらいで、3ヶ月ごとに利用
 継続についての見直しをしていきます。
 医学的な管理のもとで看護や介護、リハビリを受け
 られます。

 介護療養型医療施設
(療養病床等)
 

 医療が中心の施設です。
 急性期の治療が終わり、病状は安定しているもの
 の長期間にわたり、療養が必要な方が対象の施設
 です。
 介護体制の整った医療施設(病院)で、医療や介護
 などを受けられます。 
 特養や老健に比べると生活スペースは狭いものの
 レクリエーションやリハビリもあり、医師や看護師な
 どのスタッフが常にいてくれる安心感があります。


    


    この中の『介護療養型医療施設』は、平成30年3月末までに、他の介護保険施設に転換
    される予定です。
    
『介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)』は、希望してもなかなか空きがなく、入所
    できるまでにかなり時間がかかることが多いのが現状です。
    最近では、介護度が高い・高齢である等、必要度の高い方から入所できるよう各自治体
    で工夫しています。

                       



 2)施設サービス利用時の負担額
 

   施設サービスを利用した場合は、サービス費用の1割に加え、居住費・食費・日常生活費
   (紙おむつ代など)が利用者の負担になります。

   居住費・食費・日常生活費は介護保険の対象外なので、全額自己負担となります。

    
自己負担 =  サービス費用1割  居住費   食費  +  日常生活費 


   自己負担額は、介護度・入所した施設の種類・個室か多床室(2人部屋等)か等によって
   違ってきます。

   『介護療養型医療施設』の利用料は、医療の必要性が高いこともあり、もっとも高く設定
   されています。

                         



 3)特定入所者介護サービス費 

    低所得の方のサービス利用が困難とならないよう、所得等に応じ負担限度額が定められ
    ています。
    この限度額を超えた部分については、
特定入所者介護サービス費として介護保険から
    給付されます。
    対象となる費用は、施設やショートステイを利用した場合の居住費(滞在費)食費
    負担額です。

    特定入所者介護サービス費は、対象者の要件を満たしていれば自動的に給付されるの
    ではなく、
申請をして、負担限度額認定を受けなければなりません。

    負担限度額認定を受けた人には、負担限度額認定証が交付されます。
    この認定証を利用する施設に提示することで、負担限度額と基準額の差額が特定入所
    者介護サービス費として、保険給付されるようになります。
    対象となるのは、次のような方です。

                   

利用者負担段階 軽減の要件(次のいずれかに該当する方)
第1段階 ・老齢福祉年金受給者であって、市町村民世帯非課税者
・生活保護受給者など
第2段階 ・市町村民税世帯非課税であって、今年度の合計所得金
 額と課税年金収入額の合計額が80万円以下の方など
第3段階 ・市町村民税世帯非課税であって、今年度の合計所得金
 額と課税年金収入額の合計額が80万円を超える方
・市町村民税課税者で特別減額措置の適用がある方など


    原則として上記第1~第3段階に該当しない方は、特定入所者介護サービス費の対象
    になりません。
    しかし、高齢夫婦世帯などで一方が施設に入所し、居住費・食費を負担することで生計
    が困難になる等の一定の要件を満たし、申請により認められた人は、利用者負担第3
    段階と同様の
特例減額措置を受けることができます。
    

                       




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